内容説明
夜這いなどの村落社会の性民俗、祭りなどの実際から部落差別の実際を描く。柳田民俗学が避けた非常民の民俗学の実践の金字塔。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
乱読家 護る会支持!
4
赤松さんは、ド左翼の方で、政治犯として獄中にもいれられ、「天皇制(これ自体が左翼用語ですが)」を徹底的に批判された方です。性と差別の民俗学を研究されたのも、「天皇制」を打倒する活動の一つであったそうです。 戦後のソ連、中国の「共産党独裁国家」を見れば、人類がマルクスが唱えた共産主義を現実化するためには、まだまだ試行錯誤が必要なようです。 人間に感情と欲求がある以上、完全に平等な社会は出来るはずがなく、秩序を保ち、戦争の少ない社会を安全な社会を作る為には、ヒエラルキーは絶対に必要と思います。2021/07/05
artgrape
1
柳田民俗学に対する批判として、常民で構成される「理路整然」としたムラではなく、差別や排除があるムラの実態を記録しようとする。差別や排除についての道徳的判断は一旦ここでは保留として、赤松が、そうした人間臭いドロドロしたムラの描写を通じて主張しているのは、国家の統制などなくともムラ、村落共同体は存続し続けるということである。民衆は自らの共同体は自らで維持しえる。それだけの知恵と知恵の蓄積がある。支配層ではなく、地べたを這って生きるニンゲンへの深い愛情と確信を感じる1冊。2022/02/09
いきもの
0
図書館。学びはあるし一理あると思う内容も多いが、村社会に回帰せよという考えはどうにも共感ならない。変化もまた民俗であると思う自分としては、祭りの観光化は決して否定するべきものではないと思うんだけどな……。そもそも神事→村民の楽しみ→観光化という広がりの一つであり、堕落といえばそうなんだけど、なら喧嘩祭りに変わったのだって堕落であるんだし、一時代を取って「ここがよかった」と言うのは恣意的にすぎるというか、懐古主義でしかないように思う。2023/09/11
わ!
0
相変わらず面白い赤松民俗学である。おそらく本筋の民俗学を学んでいる人からすれば、耳が痛い(読んでるわけだから「目が痛い」のか?)内容も多いのだが、相変わらず「柳田民俗学」の欠陥を指摘しまくる一冊に仕上がっている。とにかく!このような赤松民俗学の本が、こんな風に安価で読むことができるのは嬉しい限りなのでありました。2018/08/07
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