内容説明
“痛”青春に救いはあるか?
「いきなり人をクズ呼ばわりたぁ、失礼なやつだなクソガキ……俺は権力と腕力には弱ぇが、年寄りと女子供には強ぇぞ」
「語るに落ちるゴミクズ発言なんだけど」
勝ち組っぽいやつの足を引っ張ることに全力を傾けるパーフェクト負け犬高校生の狭山明人と、怪我を理由に部活を引退した冷血ブリザードな無気力少女・小野寺薫。
放課後に呼び出しをうけた二人は、謎のボランティア活動にいそしむ中等部の少女・藤崎小夜子と出会うが――。
「私は明人と薫をお助けする正義のボランティアなのです。頑張る方向なのです。えっへん」
電波発言にドン引きしながらも、藤崎が室長をつとめる特別生徒相談室の「救済」活動に巻き込まれる狭山と小野寺。二人は、学校で悩みを抱える個性的な生徒たちと出会い、藤崎とともに彼らの問題に対処することになるが……?
現実はクソだ。不条理で、不都合で、不公平だ。――だからって、救いがほしいわけじゃねえ。
『夏の終わりとリセット彼女』でライトノベル・フロントライン大賞第1回大賞を受賞した境田吉孝の待望の最新作がここに登場!
クズ・電波・無気力・変態・ひきニート等々、ダメ人間オールスターでおくる“痛”青春ラブコメ!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
45
青春の負け犬たちが謎のボランティア活動をする女子中学生から呼び出しを受けるところから始まる青春物語。ガガガらしい尖った青春作品やなぁ。設定や展開自体はそれほどズバ抜けて面白いわけでは無いんだけど、言葉のチョイスが上手く文章がとても読みやすいので一気にいけるのが良いですね。また、俺ガイルっぽい感じがするけどキャラの濃ゆさはこちらの方が一枚上手ですね。電波系ヒロイン、毒舌、両刀使い、なんj民に低スペッククズな主人公と登場人物の個性がスゴい。彼らの負け犬青春は今後どうなるのか。次巻も楽しみです。2017/04/18
よっち
41
勝ち組を呪う負け犬高校生の狭山明人と冷血美少女・小野寺薫。放課後に呼び出しを受けた二人が中等部の少女・藤崎小夜子の謎のボランティア活動に巻き込まれてゆく痛青春ラブコメ。藤崎の電波発言にドン引きしつつもいがみ合う二人が、やる気がないなりにメンヘラハンサムやヒキニートといった濃いキャラの相談者たちが抱える問題解決に動いて仲間が増えてゆく展開でしたが、負け犬を自負しひねくれた言動ばかりの狭山だからこそ、誰も気づかなった真意に気づいてしまう皮肉な結末は、続巻があったらまた読んでみたいと思わせるものがありました。 2017/04/19
ツバサ
23
1年半の延期を得て遂に発売。負け犬主人公と無気力ヒロインがいかに物語を盛り上げるか、それは負けること。勝者に踏まれ続けるのは敗者の務めだが、敗者だって心のどこかで叫びたがってる。敗者の気持ちを誰よりも理解している主人公の狭山が無気力ヒロインの小野寺や、その他ダメ人間たちを理解してあげる、そんな痛い青春ラブコメ。とっても面白かった。作者が伝えたいことは十分書けていると思う。これからどういった展開になるのか楽しみです。このキャラ達の負けっぷりをもっと見たいです。是非シリーズ化に。2017/04/18
ヱロ本Gメン
18
主人公にもナンJ民にも小野寺薫にも共感出来る。その悩みに無理がない。その無理がないのが問題。ただでさえ俺ガイル、隣人部、のうりんと既視感三重苦を背負っているのにノーマルすぎる。メンバーの顔見世ってところもあるだろうし、藤崎の闇が明かされていないからまだ判断はできないが…もっと無茶苦茶さが欲しい。というか作者の本書出版までの一年半の日記とかの方が面白そうな気が。続きは読みたい。色々気になる。2017/04/23
サケ太
18
青春の負け犬は人生の負け犬か。恥の多い青春を過ごす、色々こじらせた高校生狭山明人は冷徹な美少女小野寺薫とともに救世主を名乗る藤崎小夜子に誘われ(脅され)、特別生徒相談室を手伝うことに。持ち込まれる相談事から個性的な面々と知り合っていく。その度に屈折しきった少年が示す答え。負けてもいいのか。それでも続いていく面倒くさい人生。それもまたきっと青春なんだろう。2017/04/20




