内容説明
「ネットでは、自分のことをなんて言われているか気になってエゴサーチばかりして、悪口は見つけて読んでおきたかった。ずっと、最初から、無名の言葉なら、表情なら、平気だなんて、思えなかった。1人1人の生きている時間。それ、そのものに敏感でいつづけることが私の音楽で。いつまでも、私はきみと1対1でいたい」――本書より 「大森さんはただ目の前の世界を生きて、その瞬間の自分を生きて、だからこそ、こうしてすべてのものをたった1つの身体に積み上げて、ここまで来た人だ。奇跡なんてない。すべては彼女の身体に、そして人生に、つながっていた。私は、この『日常』そのものをくりかえして、そして『奇跡』そのものになった人を他に知らない」――「あとがき」(最果タヒ)より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
若布酒まちゃひこ/びんた
36
ひたすら素晴らしかった。大森靖子というひとの人生といきあうことで、じぶんの人生がなぜか立ち上がる、稀有な読書経験をした。2016/04/26
りお
25
再読。この本が出版された時は旦那さん公表してなかったからピエール中野さんだと思って読むとまた違って感じる。「責任取って結婚するからもう死ぬなんて言わないで」ってプロポーズ何度読んでも素敵です。2021/08/04
真鍋
25
最果タヒさんも大森靖子さんも大好きなので手に取るのがとても昂揚する作品です。普段画面の向こうにいる存在の、リアリティ溢れる半生に感慨深い気分になりました。2020/06/05
daiyuuki
19
東日本大震災の後に自分がすっきりするために歌っていたのがそこで聴いてくれている一人一人の命のために歌わなければならないと思うようになったこと、歌詞を書く時のこだわりは瞬間ごとその瞬間に弾ける言葉を選ぶそして周りのことを俯瞰で見て吸収してその人が振り向くような歌詞を書くこと、ファンに対する「ボロボロだったとしても、あなたの人生のすべてがYESだってせめて音楽の中で言いたい」という想い、今まで発表した曲の歌詞も解説も収録されているし、大森靖子が越えてきた人生の階段そしてマグマのような愛がつまった自伝です。2016/02/11
iuba
14
すでに年ベス候補。大森靖子さんを知らなかったのに、最果タヒさんの言葉が好きで読んだ。視聴もせずにCDを買ったし、ライブに行きたくなった。気軽にこういう言葉を使いたくないな…でも、愛情、やさしさ、まっすぐに自分と向かい合ってる人のことを考えている、そういう姿勢が、ほんとうにストレートに叩きつけられる。圧力のある言葉が肌から染み込んでくる。この本をさした本棚は活き活きしてみえる、力をもらえる、そういう存在。好きなことを好きなままで生きていていいんだなって、教えてもらえる。幸せになった。ありがとう。2016/03/05