内容説明
白藤鈴蘭は他人に頼らず生きてきた冷めた女子高生。マダム風にしゃべるシェパード犬と知り合ったことから、街一番の豪邸・三日月家に朗読兼犬の散歩係として雇われる。その口調からこっそりマダムと呼んでいるシェパードは、実は当主である紫檀の母親が生まれ変わった姿だった。10年間屋敷の外に出ていない紫檀の友人になってほしいとマダムに頼まれるが、話すきっかけすら掴めず悩む鈴蘭。だがある日、学校でいつも優しい英語教師が不機嫌だった理由が謎だと鈴蘭が話すと、紫檀は「謎」という言葉に興味を示してくれて……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
59
謎を通じて構築されていく人間関係から目が離せない。孤独な少女としゃべるシェパード、少女の雇い主である盲目の美青年。そして少女の通う学園での生活。これらが絡まり、話が膨らんでいく。きれいにまとまっていて、とても面白かった。続編があるといいな。2017/02/15
陸抗
19
何故かマダム口調のシェパードの話が理解出来、シェパードの飼主の三日月家で、散歩係兼当主の朗読係として雇われることになった鈴蘭。シェパードは、当主紫檀の母の生まれ変りで、鈴蘭に息子の友達になれとせがまれる日々。紫檀の安楽椅子探偵を通じて、鈴蘭に少しずつ友達が出来、彼女自信の成長が見られるのは楽しかった。ただ、鈴蘭が友達を作らなかった理由や、リュウが去っていった経緯は切なかったな。続きにも期待したい。2019/01/07
にゃんまげこ
18
あさぎさん初読み。予想以上に面白かった。鈴蘭ちゃんが不器用すぎて心配になりながら、成長していく姿に微笑ましくもなりました。紫檀様との関係も、徐々に一方的じゃなくなってるのがいいですね。ここから少しずつ進展していくのかな…楽しみです♪2017/10/17
あゆみ
17
★★★★★ 鈴蘭だけがシェパードのマダムと会話できるという設定が超好み。盲目の紫檀、リュウ、不良少年の伊万里、魅力的なキャラが多く楽しめる。謎が解明された後さらっと各章のお話が終わっているのが、謎を解明した紫檀の素っ気ない態度と同じようで、これはこれでいいかも。人と距離をおいていた鈴蘭が一歩踏み出す形で終了したが、続編が出るなら次は家に閉じ籠っている紫檀が成長するような展開を期待!2017/03/03
アカツ04号
16
積読消化。不器用な女子高生と美青年の安楽椅子探偵もの。言葉を話すシェパードは唐突だったのに自然と読めてしまった。日常の謎解きだけど少し捻りのあるものが多くて、予想以上に面白かった(短編のタイトルから内容が読めないのが一番良いと個人的に思ったところ)。鈴蘭と紫壇が少しずつ人と関わるようになって成長していくのを、マダムと一緒に見届けたいところ。鈴蘭の父については全く触れていないので、次巻で明かされると良いなあ。(2/5-12)【2022-5】2022/02/12