講談社学術文庫<br> アーネスト・サトウの明治日本山岳記

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講談社学術文庫
アーネスト・サトウの明治日本山岳記

  • ISBN:9784062923828

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内容説明

アーネスト・サトウの名は、幕末明治の日本に訪れたイギリスの外交官として知られている。しかしサトウが、日本の「近代登山の幕開け」に大きく寄与したことを知る人は案外少ない。本書は、サトウの登山家としての著作を抜粋・編集。富士山、日本アルプス、日光と尾瀬、吉野と熊野。描かれる明治の登山道は、現在はすでに廃れて使われなくなっていたり、逆に今もそのままの景色が読み取れるなど、興味をそそる。詳細な地図も掲載。

目次

富士とその近隣
ディキンズと富士山へ 一八七七年
越中と飛騨
日光から金精峠・尾瀬・八十里越を経て新潟へ
吉野 大峰・弥山・釈迦ケ岳
吉野から天ノ川渓谷を経て高野山へ
高野山から山越えで熊野へ
悪絶・険路の針ノ木峠と有峰伝説 一八七八年
秘境奈良田から南アルプス初登頂 一八八一年
訳者解説 黎明の日本アルプス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

118
2017/4/12 Amazonより届く。 2018/12/10〜12/12 歴史の教科書でお馴染みのアーネストサトウ氏の登山記録。明治時代の登山道の様子が描かれていて、大変興味深い。徒歩移動が基本であった時代と、鉄道、バス、車が主流の現代とは主要ルートが変わっているのが興味深い。2018/12/12

キムチ

47
サトウがこんな登山家とは知らなかった・・しかも民俗・植物・地勢など彼の旺盛な好奇心に舌を巻く。富士山登山が半分、他越中・飛騨そして大峰・鳳凰等が記されている。1870年頃といえば明治治世いまだ彷徨状態。廃仏毀釈の結果の惨状もちらっと顔を出す。今でこそ、危険個所は鎖・梯子があり、それでもリスク多々なるエリアを当時の装備で山行した事実に瞠目。個人名を出し、泊めて貰う箇所が多い。貧しい暮らしぶりや血族結婚に筆が及ぶ。信越連帯新道の記述は興味があるので常願寺川~神通川そして有峰への下りの詳細ぶりが面白い。2017/09/28

Sakie

20
日本駐在中の山旅の記録。外国人にとってのガイドを目指した記録ようの文章と、旅日記ようの文章が収録されている。当時から登山道や山小屋、茶屋というものはあって、それは日本人にとっては、生計の必需を除けば、参拝、修験、湯治などの目的があって山に登ったのだろうから、著者のような現代的な登山、登山のための登山は珍しかったのではないだろうか。案内に雇った地元の若者が見事な愚図馬鹿三人組で、それが地質学や動植物学の知識、山歩きの技術にも長けた著者を馬鹿にした態度を取ったとあっては、さぞ腹立たしかっただろうと苦笑した。2021/08/28

やま

14
富士山、八ヶ岳、日光白根、尾瀬、吉野、北アルプス、南アルプスと恐ろしいスピードで歩き、登り、下っている。高山植物、山野草、岩石、動物、鳥と自然の描写も詳細で、目の前にその風景が現れるようだ。登ったり行ったことがある場所は特に「昔はこうだったんだ」と納得する。アーネスト サトウは山登りもやっていたんだね。実に面白く、山好きにはたまらない本である。2019/04/02

スプリント

14
幕末から明治維新にかけての歴史書を読むと必ず登場するイギリス人アーネスト・サトウによる日本の山岳記です。外国人が日本を旅することもまれな時代に日本各地の山々に登ったことに驚きました。2017/05/27

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