内容説明
「知る権利」が危うい。国際NGO「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」での、日本の順位は下がり続けている。大手メディアに蔓延する萎縮、忖度、自主規制――。彼らが避けて触れない「闇」は、政界、官界、財界、学界などに絡み合って存在する。それら25の組織や制度にメスを入れる、会員制情報誌の名物連載第三弾。『日本の聖域 この国を蝕むタブー』改題。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
122
人間の利己的な面に焦点を当てた作品。巨額の金が動けば利権が生まれる。そして腐敗や利権を巡る抗争が起きる。医療、科学、研究、大学、警察、トクホ、農薬、教育委員会等々。勿論、真の目的に向かい邁進している方々もいる筈。しかし権力を握ると人間は堕落する。暗澹とした気持ちになる。好奇心から読み始めたが、残ったものは不信感と絶望か。勿論、自分でソースを調べた訳ではない。だが、我々の知らないところで、報道されない腐敗や利権があることを知る契機となるだろう。人間は足ることを知らねばならない。無私の気持ちを意識し続けよう。2020/04/25
扉のこちら側
61
2016年986冊め。理化学研究所、皇室、教育委員会、人工妊娠中絶、公安警察、フクシマ、トクホ等々、誰もが薄々「どうなっているんだ」と思いながらも深くは踏み込めない領域に触れる。そうだったのかと思わされるものもあるが、全体としてはやはりこれで書ききってはいないだろうなと感じられる。「選択」編集部の方針として全ライターを匿名性にしているのもあって、読後感すっきりとはいかない。2016/11/13
リキヨシオ
37
本当の事を知りたい!と意気揚々と「日本の聖域」を読んだ末に好奇心が絶望感に変わること…今回で3回目!理研、皇室、電通、原子力村、東京都連、人工中絶、フクシマと暴力団、トクホなど、つくづく利権にまつわる聖域とタブーは尽きないものだなと思うこと…今回で3回目!新聞、テレビ、ネットでも報じられず、報じられた時でも分かりやすい悪役ばかり目立つ結果で聖域の実態や利権の核心までたどり着かないのが現状。そして報道の自由度ランキングで先進国最下位だという日本のメディアの「クライアントタブー」の問題…この先どうなるのか?2017/01/16
nakmas
11
日本人はお上や公共という枠組みを作って、 あたかも元々あったかのように仕立てて、 その中でぬくぬくと利権を貪るのがうまい民族なのかもしれない。 2019/01/26
山目
10
学会、防衛、原発等の競争原理の働かない世界に聖域ははびこる。ある意味では豊かの弊害であろうが、目に余ることも多い。人や組織の本質かもしれない。チェック機能をどう築くのか?2017/01/15