内容説明
町方同心の花形、定廻り──奉行所で年功を積み、一目置かれる者が任命される重職である。だが、そんな慣例を打ち破る男が現れた。浅羽啓次郎、二十八歳。だれが見てもまだ若造である。ただし、育ちが好さそうな出で立ちに剣術遣いという、どこかわけありな同心であった。実は啓次郎、出自に秘密を抱えていたのだが、人並みはずれた観察力と洞察力を持ち、強力な他薦を得て定廻りに抜擢されていたのである。しかし、そんな啓次郎でも難儀する事件が勃発する。目明かしが続けて襲撃されたのだ。探索上には、主犯の逃亡に手を貸す影の存在が明らかに……。しかもそれが意外な人物と知り、一か八かの決断を下して敵を驚かせる! 剣客同心の八面六臂の活躍を描く待望の新シリーズ!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
13
『見習い同心捕物帳』が好みの作品だったので、図書館で探して読んでみた。啓次郎が養子に来た状況も浅羽家の状況も一歩間違うと暗い話になりそうな設定なのに、なぜか明るい。ゆっくりした話の進め方も個性的なキャラ設定も良い。春之助への処置もいいが、お仙さんがいなくなるのは寂しい。2018/05/18
めにい
5
啓次郎が若くまだ新米で心が揺れ動いているのがこちらによく伝わってくる。続きが待たれる。2015/08/28
ウォーカージョン
3
面白かった。真面目に書いてある印象。ちょっと昔懐かしい。設定は、ありがちというより伝統的。こういう時代小説もいい。ただし、刀法というか刀の操作法というか、研究してほしい。上段から落ちてきた刀を摺り上げるとどうなるかとか。2022/06/05
山内正
3
旗本の次男の啓次郎 兄と仲違いし ある同心の養子となり奉行所の勤めをする事に 持って生まれた研ぎ澄まされた気性の為 周りから不審がられるが奉行直接の使命を受け 旗本の影の夜働きに探索を入れる 同じ研ぎ澄まされた男達とが判る 遣り方に鋭く食い込む2018/03/31
小説を読む人
0
楽しく読めた。フリガナが多いのが良かった。2023/03/30