内容説明
ゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」は、これまでの技術とは比較にならないほど正確かつ自在にDNAを操作することが可能となった。
農業、畜産など様々な分野での利用が期待されているが、とりわけ注目すべきは医療分野だ。
ゲノム編集が「ヒトの受精卵」の遺伝子改変に利用されるという、かつてない状況のなかで、われわれは「生命」「家族」をどう捉えるべきか。
本書ではゲノム編集の可能性と課題を浮き彫りにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
19
#感想歌 好奇心原爆細菌兵器など悪の道具の源泉なのか2017/08/02
shikada
11
ゲノム編集の可能性と今後の展望をまとめた一冊。ゲノム編集による治療は、HIVや白血病やガンなど従来の方法では治療が困難だった病気を回復させる可能性を持っている。ただし、もしオフターゲット変異(編集するゲノムを誤る)が起きた場合は副作用が、細胞が死ぬまで続く(一般的な飲み薬の副作用は、体外に排出されるまでの短期間だけ)。ヒトの受精卵に対する編集については、国際的な合意づくりが必要。いわゆるデザイナー・ベビーを生み出すことは、現在の技術では困難。2019/05/03
GASHOW
7
ゲノム編集といっても、60兆個の細胞に作用させるのはむずかしい。眼や臓器などの本人用の再生には希望がある。ヒトの遺伝改変をGMOの穀物におこなっているようなものだとそれはこわい。小麦やトウモロコシの世界では遺伝子操作されたものが主流だ。ヒトが有性生殖なのはウイルスとの戦いのなかバリエーションによって生存させてきたのにほかならない。遺伝子改変でできることをパターン化するとそれらの全滅のリスクもある。人が病気になったときに遺伝子操作されたことが原因と思うとそれはまたつらいだろう。2017/11/14
Shu
4
ゲノム編集とはどういうテクノロジーか、また何ができるのか。今、実際になにができているのか。そして、この神の領域のような技術に対する倫理観などの世の中の議論は今どういう流れなのか。といったあたりが読みやすく書かれている。同テーマの本は3冊目だが、特に技術の解説が一般人に一番わかりやすくなされていると思う。図もわかりやすく効果的にあって、よい。少し残念なのは、医療的な応用の話ばかりで、畜産などの食糧問題への応用の紹介がなかったこと。でも、あとがきで続編としてそのあたりを紹介するとあるので、楽しみにしておく。2017/03/12
kenitirokikuti
3
ルイーズ・ブラウンは1978年に初の「試験管ベビー(いまは体外授精と称する)」。その後、体外授精による出生は世界で500万人ほどに達した。1992年は顕微授精(動きの悪い精子を卵に放り込む)▲ヒトゲノム編集の3つのアプローチ。1.受精卵を取り出し、遺伝子改変を施す。2.母体から採卵して行う。3.精巣から精子幹細胞を取り出して行う。2017/03/19
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