角川書店単行本<br> 暗手(馳星周インタビュー収録)【無料試し読み特別版】

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角川書店単行本
暗手(馳星周インタビュー収録)【無料試し読み特別版】

  • ISBN:9784041032121

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内容説明

【本書は、2017年4月26日配信開始の『暗手』冒頭が読める、無料試し読み小冊子です】
台湾のプロ野球で八百長に手を染め、罪から逃れるために次々と殺しを重ねた加倉昭彦。居場所を失い、顔も名前も変えて過去を抹消、逃れ着いたのはサッカーの地イタリアだった――。イタリアの黒社会では、殺し以外の仕事なら何でも請け負い、いつしか「暗手」――暗闇から伸びてくる手――と呼ばれるようになっていた。そんなある日、サッカー賭博の帝王・王天から、中堅チームに所属する日本人ゴールキーパー・大森怜央に八百長をさせろとの依頼が舞い込む。計画実行に向けて着実に準備を進めていく加倉だったが、大森の姉の写真を目にしてから過去の記憶がよみがえり、計画の歯車が狂い始める……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

362
『夜光虫』再読からノンストップで。総合的には満足度高めだが、どうしても比べてしまう。八百長に引き込むための手段がベタすぎたり、大森姉が加倉に惚れるのがやけに唐突だったり、ところどころプロットの練りが甘く感じられる展開があったり。主人公の加倉が前作ラストの時点ですでに人外の域に達している為、妄執に共感しづらいというか”堕ちていく”という表現が似合わない。堕ちるどころか行くところまで行ってしまっている。ノワールというよりはハードボイルドに近づいているように思えた。しかしまぁ、さらに続編出るようなら読むだろう。2017/05/14

おしゃべりメガネ

211
これぞまさしく待ち望んでいた唯一無二な馳星周ワールドです。やっぱり馳さんの作品はこうじゃないととある意味、懐かしくすら思える作風でした。ノワールではないかもしれませんが、主人公が堕ちていく様はとにかく息つく暇もなく、展開していき、ひたすら突き進んでいくその姿にはシビれてしまいます。好みのはっきり分かれる作家さんであり、作風ですがやっぱり私は馳さんの作品は好きなんだなぁと、改めて思いました。無理のあるシチュエーションも少なくはありませんが、そんな些細なことは気にせず、とにかくハードな物語を満喫しました。2017/05/29

starbro

159
馳星周は、デビュー作からずっと読み続けている作家です。久々のシリアスなノワール、450P強一気読みしました。著者の若い頃の作品に比べるとインパクトに欠けるかも知れませんが・・・巨大なチャイナ・マネーが欧州のサッカー界を席巻している状況の裏側では、本作のようにトンデモナイことが行われているのでしょうか?2017/05/18

k5

81
おっ。これは好きな味付け。確実に『夜光虫』より面白いです。イタリアに渡った加倉の枯れ具合がいい感じなのと、八百長をやらされるレオが良いやつなので、話に入りこみやすい。演出として、ノワールよりは、かなり古典冒険小説っぽく、『ジャッカルの日』とか、『もっとも危険なゲーム』とか『赤い収穫』の匂いがしますが、馳ノワールの味もちゃんとする名作です。登場人物に感情移入しやすいのは、単に馳さんが台湾と野球より、イタリアとサッカーが好きなのかな、と思うくらい、人が明るいです。2020/08/25

うわじまお

61
久しぶりの馳星周作品。500ページ近くの大作なのに、あっという間に読了。舞台はヨーロッパ。テーマは八百長。イタリアに流れ着いた主人公・悪霊と、黒社会の強敵との一騎打ち。プロサッカーを見る目が変わるかも? 2017/11/02

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