内容説明
「十七歳ですよ。死んじゃいけない」連続少年殺人の深層に存在した壮絶な真実とは!?熱狂的人気を集めるも正体は明かされないアイドルのライブでの殺人事件。被害者を含め現場にいた複数の少年と少女一人は過去に同じ中学の生徒だった。警視庁少年課・宇津木と神南署・安積警部補は捜査の過程で社会と若者たちの変貌に直面しつつ、隠された驚愕の真相に到達する。『蓬莱』に続く長編警察小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
drago @GW車中泊旅行計画中。
58
これぞ警察小説!◆真犯人はすぐに読めるが、そこに至る過程を十分楽しめた。安積とタメ年・速水の即席コンビが特に良かった。 ◆相川渡には重い罰が必要。死んでくれてもいい程。 ◆「アイコン」は、宗教画「イコン」が語源? パソコン通信って、インターネットとは違う物だったんだ…。 ◆一つだけ解せなかったのが、アイドル「有森恵美」。誰もその容姿を拝んでないのに、人気が沸騰するという設定はさすがに有り得ないと思う。 ◆やけに詳しいアイドル論が語られると思ったら、今野さんはガチのアイドル好きだったのね。(^^; ☆☆☆☆2021/09/08
ノンケ女医長
40
「イコン」って何だろうと思いながら読んだ。事件の無残さから「遺恨」と思った。1995年当時は、確かに得体の知れない不気味さは多くあったし、危機意識も乏しい世相だったような。イコンの向こう側に広がる無限の世界は、今では日常なので、少し懐かしく感じる描写もあった。今作では、家庭に悩む警察官の描写が生々しかった。実の息子でさえ、まるで職場にいるかのような言葉でしか、声かけできないんだと悲しくなった。崩壊寸前で危機を回避できたようだが、45歳の宇津木真警部補は、息子、娘、妻との関係をさらに修復できるんだろうか。2023/01/03
かいちゃん
38
初音ミクってこういう感じなのかな。途中から結末はばれていたけど、こういう題材は初めてだった。おもしろかった。2018/10/23
ひさか
33
1995年10月講談社刊。1998年8月講談社文庫化。2016年11月講談社文庫新装版刊。安曇班海南署シリーズ2作目。今野さんのネットアイドル論が面白い。パソコン通信全盛時代が書かれていたのも興味深かった。登場する安曇班は東京湾臨海署シリーズにかなり近いが、時代と相まって古色が感じられた。2018/03/04
那由多
26
安積班シリーズでは『蓬莱』に似たタイプでした。お留守番組の村雨・桜井の出番が少ないのは残念だけど、速水さんが一緒に捜査してます。ページ数の割に事件は複雑ではないし、誰かの内面に切り込んでいる訳でもないが、冗長に感じず集中して読める。少年課の宇津木さんの家庭が、上手く機能していきそうなので嬉しくなる。2019/12/02