幻冬舎文庫<br> 誓約

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幻冬舎文庫
誓約

  • 著者名:薬丸岳【著】
  • 価格 ¥679(本体¥618)
  • 幻冬舎(2017/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344426016

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内容説明

家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていた向井聡の元に、一通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています」。便箋には、ただそれだけが書かれていた。送り主は誰なのか、その目的とは。ある理由から警察にも家族にも相談できない向井は、姿見せぬ脅迫者に一人立ち向かうが。故郷、家族、犯した罪……。葬ったはずの過去による復讐が、いま始まる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

155
★★★★★★★☆☆☆復讐を扱った薬丸岳の長編。妻子と共に細やかながら幸せに暮らすバーテンダー・向井の元に届いた一通の手紙。それは葬ったはずの過去から届いた呪詛の言葉だった…。姿なき脅迫者の正体とは。「あの男たちは刑務所から出ています」という惹句から社会派ミステリを想像したが、中盤以降はむしろ心理サスペンスやハードボイルドの様相を呈する。意外性を求めるあまりやや無理筋なプロットとなってしまった印象は否めないが、加害者の更生や遺族感情の深さを考えさせられる作品だった。敢えて文字を伏せたラストは粋だなと感じた。2023/02/05

小説を最初に書いた人にありがとう

137
久々にミステリーを読んだからか、ヒリヒリの疾走感で疲れた。この作家さんの基本テーマなのでしょうか。犯罪と償い、更正、消せない過去、等を毎回考えさせられる。今作は違うけど少年犯罪もよく出るな。今回の犯人に振り回される主人公も元は犯罪者。そうなると誰に感情移入してよいかわからなくなる。要は人は更正出来ないと思っている自分に気付く。特に人を殺める一線を越えた人間はこちら側には戻れないのだと思う。2018/05/26

nobby

137
いつもながら“償い”とは何なのかを問う意欲作。16年前に末期癌女性と交わした「娘を殺した外道2人を出所後に殺して欲しい」という誓約。守るべき妻と娘と暮らす現在の幸せに忍び寄る暗澹…今になって見返りを強いるのは誰なのか?いつのまにか、そこに焦点絞り一気に読ませるのは流石。ただ、前半描かれる向井のいい人ぶりと、段々と語られ出す過去の粗暴さが少し違和感…途中思わせぶりな誘導で予測グラつきながら、やっぱりな真犯人で落ち着くも、最後明かされる真相はやりきれない。涙で霞んだ文字に希望を見いだしたい。2017/07/28

takaC

123
終盤の「もったいない」感が否めないのが残念だけど、これぞ薬丸岳って感じビシバシ。2017/05/08

Atsushi

106
ミステリー好きの家内に薦められた作品。練りに練られたスリリングな構成。ありきたりの言葉だが、「驚愕のラスト」だった。主人公向井(高藤)、主人公が勤めるバーの共同経営者落合、愛する娘を理不尽な理由で亡くした坂本。それぞれの立場に立って考える。一度犯した罪は、決して許されないのか、罪を犯した人間は幸せになってはいけないのか。そんな経験がない自分に答がみつかる筈もない。解説にもあるが、向井が最後に手渡されたメッセージの内容を改めて推理することとしよう。2017/05/13

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