新潮文庫<br> 百日紅の咲かない夏

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新潮文庫
百日紅の咲かない夏

  • 著者名:三浦哲郎【著】
  • 価格 ¥1,023(本体¥930)
  • 新潮社(2017/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101135168

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内容説明

父の事故死、母の出奔で別々に育てられた姉弟が、十年ぶりに再会した。以来、十七歳の弟は、二十歳の姉を週末ごとに訪ねる。夜、姉の布団で幼子のように身を寄せながら、歳月の重さと互いの愛の深さにおののく二人。その年、北国の町では怪しげな商事会社が暗躍し、孤独な二人に危険な人間関係がからみつく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

49
三浦哲郎さんの作品初読み。親の愛を知らないまま大人になった姉・弟。離れて暮らしたりしてなかなか家庭の温かさを実感できぬまま時は過ぎていく。生真面目で一生懸命・・・という砂夫の性格が歯がゆくなる。似た者同士の姉・・・。やはり同じ血が流れているんだなぁ~とまたこちらも歯がゆくなる。性格が少しでも違っていればまた違う展開を迎えられたろうに。裏表紙のよみどころの内容とは私の感じ方は少し違う。離れて暮らした時間が長いゆえに他人よりも気を遣うことがあるのかもしれない。一途な愛の行方という表現は姉弟愛でも通じるのか~。2013/01/21

y_e_d

3
主人公の比佐・砂夫自身には環境の変化があまりないのだが、それでこれだけの描写ができることが凄い。難しい語句・言い回しはなく、普段小説を読まない人でもスラスラ読めるのではないかと思うが、それでいてこの深く引きずり込まれるような余韻は何だろうと思う。藤夫との結末、姉弟の結末も、話の流れからすれば仕方ないのかなというところ。砂夫は若すぎるだけに仕方ないが、もっとまともな環境で過ごしていたら、姉以外に深く信頼できる友人がいたら、違った生き方になっていただろう。2018/07/15

miori

2
過去読み。印象点62022/06/17

かすり

2
東北旅行に伴って再読。地方の密接した人間関係と、詐欺被害者が追い詰められていく姿は現代にも通じるものがある。姉弟が大人になることを拒んだ末のこの結末なのだろう。2015/02/25

桜もち 太郎

2
久しぶりの三浦哲郎の長編を読んだ。10年ぶりに再会した姉弟愛の物語。題名からも言えるように終始重苦しい空気が漂っていた。最終的にはこの物語の中で幸せになった人はいたのだろうか。そしてこの様な結末を迎えた姉弟は幸せだったのだろうか。読み終わった後も何となく気持ちが重くなってしまった。2013/06/29

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