内容説明
理想社会のシティ・システムは完璧なもので、市民にとってそこは真の楽園であるはずだった。しかし少年イヴは、レダとアウラとの出会いにより、確実に新たな地平へと導かれてゆく。自身にふりかかる嫉妬、憎悪、そして愛を体験してゆくうちに、イヴはシティ・システムそのものが抱える問題に直面するのだった。レダ、アウラ、イヴをとりまく状況は、さまざまな人びとを巻き込んで少しずつその歪みを露呈し始めるのだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
6
前半、ミラの件でのディスカッションは読み応えがあったが、後半にレダがでると、またもレダレダレダ。女性作家に偏見はないと言いつつも、「愛」を全面に押し出すところは勘弁してもらいたい。それに、冴えないし自分の意見すらも持ってないような少年が、何故にこれだけの体験でかくも論客になれるのだろう。ユートピア社会の矛盾にもっとも早くに気がつきそうな、天才・スティはなにをしているのか。いや、シティにはイヴより先に英才教育を受けた者が数百万人もいるなら、もっと多くの者が早くに気がつくはずだが。351ページ2010/11/13
まつじん
4
理想社会を突き詰めると実は不幸になる、ってのが私の”読み”です。さてどうなるのか、次巻への”引き”は十分すぎるほどです。2010/04/24
ナンさん
1
遂に大人の階段登ったイヴw そして楽園だった筈のシティの闇の部分の端が見え始めた物語。栗本薫はやっぱり凄いストーリーテラーだったなと思わせる物語。 2020/02/03
かず
1
レダとの出会いにより、他人への興味を増大させていくイヴ。それに沿うように、物語のテーマは、彼自身の問題からシティ全体に関わる大きな問題へと変化していきます。次々と起こる事態に、心を揺さ振られ続けるイヴが、まだまだ幼く感じますが、シティの人々から見ると、十分にユニークと感じるようです。2010/02/10
たかみ
1
36歳の少女(!)が15歳の少年をたぶらかす話。もしくは厨二病にキケンな思想小説。なんてね。2010/02/14




