創元推理文庫<br> コードネーム・ヴェリティ

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創元推理文庫
コードネーム・ヴェリティ

  • ISBN:9784488252045

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内容説明

第二次世界大戦中、ナチ占領下のフランスでイギリス特殊作戦執行部員の若い女性がスパイとして捕虜になった。彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制され、インクと紙、そして二週間を与えられる。その手記には、親友である補助航空部隊の女性飛行士マディの戦場の日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ物語風の手記を書いたのか? さまざまな謎がちりばめられた第一部の手記。驚愕の真実が判明する第二部の手記。そして慟哭の結末。最後の最後まで読者を翻弄する圧倒的な物語!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

465
時は第二次世界大戦中、物語の主たる舞台は北フランスのオルメ。前半はゲシュタポに捕らえられたコードネーム‘ヴェリティ’の手記(内実はかなり複雑で、供述書の体裁を取りながら背後に‘ヴェリティ’を潜ませる)。そして後半は、その同じ時間を女性補助飛行士のキティホークの手記が埋めて行く。細部を丁寧に描くことで強いリアリティを確保しつつ、小説の推進力はいささかも減衰することがない。架空の戦記なのだが、本作が伝える‘ヴェリティ’(真実)は、フィクションゆえの力を持って読者に迫る。なんとも哀切で感動的な物語。2022/01/05

ミカママ

335
【原書】ううむ、どうして第1部をジュリーの独白めいた構成にしたかなぁ。おかげで最後までなかなか入り込むことができなかった。ラストあたりのマディーの告白には、確かにえええっ?!というどんでん返しが期待できる。ミステリーというよりは、史実に近い「お仕事小説」そして、ジュリーとマディーの友情の物語だと思うなぁ。NYタイムズのレビューで「再読しないと理解できない小説」みたいなのがあったのも至極か。ラスト、著者のあとがきで、納得できることも多かった。2018/05/02

ケイ

128
まだ大人になる手前の少女2人と戦争とナチ。手記の部分が読みにくく、何度か挫けそうになったが、最後までいけたのは読友さんのおすすめだったから。あきらめなくてよかった。戦争の前線の過酷さと戦士としての少女たちというテーマは、なかなかない読み応え。作者が女性パイロットだと後書きで知り、納得した。そして分かりにくい構成などもその辺にありそうだと思う。もうひとつ言えば、この作品がYA向けの分類になるためか、訳者が少女に語らせる言葉をかなり女の子調にしたからもあるのではないかな。2020/02/29

yumiko

106
読みにくいことこのうえなく、けれど長く険しい山道が続いた後に見えた景色は涙が出るほど美しかった。第二次大戦下のフランス、ドイツ軍にスパイとして捕らえられた女性は、なぜ手記を小説のように書いたのか…?驚きの展開や巧みな伏線は、すべて作者が凝らした技巧。でも私にはどうしても彼らが必死に叶えようとした、命を賭した作戦と思わずにはいられなかった。なぜなら彼らがまだ胸の中に生きているから。戦時でなければ出会うことはなかった二人。深く相手を思った行動が交差したあの一瞬、感想を書くために読み直し、また涙が溢れて困った。2018/03/11

のぶ

87
この本の帯に「謎」の第1部、「驚愕」の第2部「慟哭」の結末とある。この第1部の謎は伏線だらけで、かなり気を付けて読んでいかないと見落としてしまう。現に自分はそれを読み落としたために、驚愕も慟哭も残念ながら得られなかった。第二次大戦下のヨーロッパ。第1部でマディというイギリスの女性飛行士の活躍が描かれ、やがて捕虜になる。自分はその部分に目を奪われたために、作者の意図である本筋を見失ってしまったようだ。いつか再読し、驚愕と慟哭を突きとめてみたい。2017/05/21

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