内容説明
いまや、世界でもトップクラスの大国となった日本。しかし、日本人の文化的意識は果たしてトップクラスと言えるだろうか。最近の異常な凶悪犯罪の増加や、刻々と進む環境破壊に代表される世紀末現象は、もはや対岸の火事ではない。日本はこのままでいいのか? 知性、教養、知恵、誇りを失った日本人に、練達の作家が鋭い筆致で警鐘を鳴らす。
感想・レビュー
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nobody
9
PHPという出版元、笹川良一やいんなあとりっぷという人脈。賢明な方にはこれだけで全て察せられよう。さて笹沢は日本語の乱れに大層憤慨している。言葉は人間の基本である、と。では笹沢自身の見事な日本語遣いを堪能しよう。「女は、ネチネチと長い文を書く。女は、陰にこもった行動をとる。たとえ、こういったとしても、女性軽蔑の発言とはならない」そうである。なぜなら女と女性的は同義語でも同意語でもないからだそうだ(類義語という概念は知らぬらしい)。女性的という言葉は女性蔑視ではない、と。「女は、〜」も女性蔑視ではない、と。2025/05/17