内容説明
これだけは残しておきたい、弱った心をなんとかし、問題だらけの現代社会に生きていく処方箋を。臨床心理学の第一人者・河合先生の、心の育み方を伝えるエッセイ、講演、インタビュー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
65
ユング心理学の夢研究、カウンセリング、子どもの心理など河合先生の研究テーマが凝縮された一冊。この分野に関心がある方の入門書としてもいいのではないだろうか。2017/03/14
阿部義彦
24
河出文庫新刊です。ユング派心理療法家の河合隼雄さんのインタビューや公演など書いたものでは無く喋った言葉を中心に編集した本です。河合隼雄さんは文学者とも交遊がありばななさんや村上春樹とも本を出してますし。筒井康隆に文化勲章をあげたのも河合さんの働きかけらしいです。本当に老賢者のイメージそのもので良い顔をしておられました。「子供は生身の自分を示してくれる大人に対して非常に敏感です。良く見て良く分かってる。なにも子供を怖がることも媚びることもないのです。子供の判断は相当信用出来ると言うのが、僕の考えです。」2017/03/19
きょちょ
21
「アイデンティティ」に関する河合先生の考え方は素晴らしい。 学歴や職業、成功体験などに基づく「アイデンティティ」は「エゴ・アイデンティティ」であって、それとは別に「もうすぐ死ぬだろうが、私は死んで先祖になるのだ」などは、真の「アイデンティティ」と言えると思う。 「つかの間の生」という言葉も素敵で、私はこの言葉をとっても肯定的に捉える。 「つかの間の生」だからこそ、自分なりに有意義に生きたい。 最後の章の「音とこころ」は、先生のそれこそ「語り伝えたかったこと」の凝縮と感じた。 ★★★★ 2018/01/12
roughfractus02
10
「幸福」概念を貨幣交換に置き換えて一般的レベルで扱う現代では、個別的な「幸福」は心理の問題となって個々人の交換不能な悩みを生み出している。そう現代社会を捉える著者は、エリクソンが有名にした一般市民として社会化する目標であるアイデンティティ概念に距離を取り、その個別的な実現をユングの個性化に重ねて、夢や物語にその事例を見出す。このように西洋の父性原理に抑圧される母性原理に注目する著者は、社会的に両者の統合を目指す理念を掲げつつ、両者のバランスを取る個別的な事例を自ら発見するまでの「待つ」姿勢の重要性を語る。2023/03/04
くりこ
10
河合隼雄先生のインタビューや活字にしたものを集めた本。とても難しいものもあれば、そうだそうだと、しみじみ理解して、気持ちを正そうと思えるものなどいろいろ。子どもにはお金でなく心を使う、ここにいてもいいと思える居場所があることが大事、など心に残りました。気持ちに寄り添うことを改めて考えました。2018/08/18
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