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内容説明
銀河鉄道の夜、風の又三郎などでおなじみ誰もが知っている宮沢賢治の作品と
ともに紡がれるエピソードを食べ物と共にお届けします。魚乃目三太の人情味
ある描写で描かれる伝記グルメ浪漫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
33
その人の食べ物や食べ方で、その人がわかる。不食主義者でないがぎり、食べることは毎日の大切な儀式で…その行為を著名人の回想と共にやさしく描いた漫画です。人の気持ちがこもった食べ物って、忘れられないですよね。昔、友人の下宿先でおばあちゃんがごちそうしてくれたペストソースのスパゲティをふと思い出しました。自分の無知のせいで爪を除去する手術をしてしまった、と痛みと屈辱で震えている猫を涙ながらに抱いて後悔していたおばあちゃんを…。2019/08/13
さばずし2487398
25
絵がほのぼのとしてみんな可愛い。特に賢治が食べている時はいつもニコニコ。確かに薄幸の暗いイメージのある賢治は、実際は沢山の友人と家族と生徒に囲まれて、何でも明るく接して何でも美味しく食べた人かも知れないと思わせられる。また各話の見開きページに描かれている賢治の作品の世界観も素敵。どの話も温かいが、鳥南蛮そばと樺太のほっけの話が特に良い。当時は庶民のお馴染みの食と同時に洋食も台頭して来て、それでもまだ飽食の時代では決してなくて、『何かを誰かと食べる』のが今よりずっと楽しい事だったのかもしれない。2020/03/17
小鈴
22
宮沢賢治は禁欲的でどうしてもくら～いイメージがあるんですがさすが魚乃目三太。賢治もいつもの三太のキャラクターの顔で、人のよい明るい雰囲気で描く。そばに目がなく柏そばを食べ、天ぷらそばとサイダーの組み合わせを愛し、東京でハヤシライスや牛丼を食べる。教員時代、貧しい学生にはさりげなくおごり、助ける。最後の章、貧農の家の飯を食べ、覚悟を決める。この本ではここまで。あれだけ豪快にムシャムシャ食べていた賢治は羅須地人協会設立後はベジタリアンになりますもんね。。。 2017/08/02
べる
21
宮沢賢治は日々の暮らしを仕事を勉強を楽しんで充実した生涯を送ったことがよく伝わってきた。自然を食を音楽を愛し、その素晴らしさを身をもって生徒に伝える。みんなが幸せであることを望んでいて困っている生徒を放っておけない情の厚さは並大抵ではない。お金を前払いしておき生徒にスイカを盗ませる体験をさせたり、テストを白紙で出した答案に真面目に授業を受けたからと20点あげたり、突拍子もないことに周りを驚かせながら生徒よりも学校を楽しんでいた。生徒達は色々な物を見て感じて自分の世界を広げたと思う。自分がどう生きたいか。2022/03/05
九月の白い雲
20
ドラマ化されるということで。ほのぼのとした絵で、明るく人情味溢れる賢治を食を交えて描いている。時期はトシが亡くなる前後。この漫画の前に読んだ賢治を題材にした小説「イーハトーブ探偵」と時期はほぼ重なる。樺太に行った話もあるので、小説の続きみたいでちょうど良かった。食がテーマということで、賢治がどんなものを好んで食べていたかわかるのは面白かった。ただ、読む前に「美味しんぼ」的なものを想像していたのでちょっと物足りなく思ってしまった。もう少し詳しく知りたかったな。2017/06/11
