ダッシュエックス文庫DIGITAL 混沌都市（ギガロポリス）の泥棒屋（バンディット）

著者名：間宮真琴【著者】/ＥＲＩＭＯ【イラスト】

集英社（2017/03発売）

• ISBN：9784086311748

内容説明

第3回集英社ライトノベル新人賞特別賞！　「愛する君が望むなら不死身にだってなれる」　混沌都市(ギガロポリス)――魔物と妖精が跋扈(ばっこ)し、魔法と超常科学が共存する超ド級の巨大都市。　その街に住む少年「クロ」は、かつて“白猫”と呼ばれ、生ける伝説と謳われた天才泥棒屋だった。そんなクロに、亡き父親について調査を依頼してきたのが、お人好しで破天荒なお嬢様「マリア」。　彼女は、泥棒屋を晩餐会へと誘う奇妙な招待状をクロに手渡す。過去を探すマリアと、大切な人を救えなかった忌まわしき過去に怯えるクロ。そしてそんな二人を時に妖艶に時に温かく愛する、好色家な最強エルフ「サーシャ」。　複雑に絡まり合う三人の想いを飲み込んで、不吉な晩餐会が幕を開ける――。新人賞受賞のちょいエロダークファンタジー爆誕!!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[HANA]

魔法や科学、種族まで入り交じった都市で泥棒をやっている少年の話。それぞれのキャラクターの過去を交えながら進んでいく話はなかなか。結構濃い感じのキャラクターがサラっといなくなったのはちょっと残念だけれど絡んでいたキャラクターが結構ちゃんと描かれていたのでそれは良かった。

2017/03/17

[真白優樹]

常識がない混沌とした都市で、泥棒を営む少年が父親の過去を探す少女と出会い、始まる物語。―――過去を越えて盗み出せ、誰かの為の真実を。過去に背を向けた少年、過去に目を向ける少女。決して逃げず希望を抱き続けた二人に、好色で奔放なエルフの女が絡まり合い、物語を進めていく。うん、中々に面白い。某世界一有名な泥棒をモデルにした、独特な世界と一癖ある人物達がとても面白い味を引き出しており、それが巧みに配置され互いに組み合う事で、頁を捲る手が止まらぬ魅力的な物語へと鍛え上げ昇華させている。 次巻も楽しみである。

2017/02/26

[nawade]

★★★☆☆　第３回集英社ライトベル新人賞特別賞受賞作。魔法と超常科学が共存する世界で泥棒屋を営む少年クロが巻き込まれた騒動を描くちょいエロブラックファンタジー。苦い過去から逃げる日々を送っていたクロを支える人々がよかった。特に夫には貞淑、でも、同姓はノーカンという特殊な倫理観を持ったサーシャがとても良い。本作はルパン三世をモチーフにしているそうだが、それがカリオストロの城だとしたら、クラリスよりも不二子の方が断然魅力的だから困ったもんだ。後、イラストの配置がおかしい箇所をあり、気になった。

2017/02/25

[リク@ぼっち党員]

なかなか面白かった。セリフ回しに非常にセンスを感じる。キャラの配置もよく考えられてるなと。 混沌都市で巻き起こる泥棒屋と箱入り娘の物語。そこに加わるお色気エルフがいいアクセントになってた。 ラスボスとの戦いも互いの主張をぶつけ合って熱かった。世の中の汚い部分を見たクロだからこそ言葉に重みがある。生きることは罪じゃないし、死ぬことは贖罪じゃない。希望を捨てなかった二人のたどり着く先はどうなるか。

2017/02/25

[臓物ちゃん]

好色百合褐色エルフお姉さんというのはラノベ界隈においてとてもとても貴重なので読了。イラスト配置の法則が乱れてるけど、まぁ面白かった。科学と魔術が混ざりあった世界が舞台というとこないだ読んだアラン・ムーア『TOP１０』みたいなんだけど、こっちは混ざり具合控えめエントロピー抑えめで、デビュー作なんだからもっとはっちゃけていいんだぜーと思った。モブは多いのに種族の多様性が低いのも難点。ロボットとかオークとか宇宙人とかいろいろと出そうぜー、こんな面白い設定なんだから。今後に期待。

2017/03/19