昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

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昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

  • 著者名:牧久【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 講談社(2017/03発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062205245

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内容説明

中曽根康弘、井手正敬、松田昌士、葛西敬之……重大証言と新資料が予言する「借金1000兆円をかかえた国家の未来」――本書は国鉄が崩壊、消滅に向けて突き進んだ歴史に再検証を試みたものである。昭和最後の二十年の歳月は、薩長下級武士が決起、さまざまな人物を巻き込んで徳川幕藩体制を崩壊させたあの「明治維新」にも似た、昭和の時代の「国鉄維新」であったのか。それはまた敗戦から始まった「昭和」の解体を意味していた

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

42
社会党、総評、国労。この運命共同体が支えたのが、55年体制。27万人もの職員を抱える国鉄の民営化とは、その一角である国労の解体にほかならなかった。日経新聞社会部記者の筆による本著は、時の自民党政治家の関与や改革三人組の井手、葛西、松田の暗躍など、労使双方の動きをバランスよく取り上げている。国労の解体を機に日本の労働組合は弱体化したが、新自由主義が蔓延る現在をみると、もう少し労組のチカラが残っていた方が、社会として健全だったような気もする。2017/09/06

ゲオルギオ・ハーン

27
国鉄解体に至る経緯を労働組合と政治の動きをリンクさせながらまとめた一冊。割といろいろな視点から書かれていて面白く、国鉄の問題点が浮き彫りになっていくので読んでいて理解を深められた。残念ながら私には当時の労働組合の人々の気持ちを理解できなかった。お客様に迷惑をかけてまで自分達の主張や職場を守ろうとする考え方はよく分からないし、自分の首を絞めるようにしか読めなかった。そのため、輸送手段として鉄道が競争力を失っていくのも納得だった。政治の動きも細かく書かれているので国鉄が政治に振り回されていくのも分かる。良書。2023/01/03

ともふく

20
面白かった。社員30万人超の公共企業体、国鉄。その解体と再生はどう成し遂げられたか。分割民営化に反対する一部経営陣と労組。政治の思惑も絡みつき、先行きは全く分からない。しかし、危機感を共有する中堅幹部が、縦横無尽に活躍、最後は勝利する。安易な妥協をせず、労組を窮地に追い込んだのが成功要因か。労組の弱体化で、総評は解散、労組が支持基盤の社会党も、大きく衰退。今の自民党一強はここから始まった。その後J Rは、改革派の中堅幹部が経営中枢となり、大きく発展。明治維新もしかりだが、革新を果たすのはやはり若い力だ。2019/10/20

ひかりパパ

19
国鉄民営・分割化から30年経った。国鉄の解体は、労働組合の解体と同意語である。国鉄解体以降、公営企業の民営化が進展、総評の解体、社会党の解体と続いた。改革派を賛美する一方で、国労の描き方が一面的。2018/02/14

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16
凄絶なノンフィクション。60-70年代のマル生運動で燃え上がった労使紛争から、80年代の国鉄分割・民営化までを通史として描く。経営基盤が弱く日和見主義の国鉄首脳陣、改革を目指して苦闘する若手革新派社員、合従連衡を繰り返して生き残りをはかる各労組、そして背後で国鉄解体の流れを作っていく中曽根内閣といった切り口になっており、まるで社会派小説の趣だった。 エピソードが革新派3人組と中曽根元首相を格好よく書き過ぎているため、あくまで勝者の歴史として読む必要があるが、素晴らしい本だった。2021/04/02

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