内容説明
ルベグ(ルベーグ)積分は20世紀初頭に登場したまったく新しい概念である。従来のリーマン積分ではどこに問題があったのか、そしてルベグ積分を定式化するにはどんな基礎概念が必要になるのか。リーマン積分では扱いきれない関数の「反例」のほか、点集合論や測度論などの予備知識を紹介しつつ、丁寧に定理を証明していく。著者は『零の発見』で知られる名文家でもある。本書においても筆さばきは明快そのもので、叙述はまったく古びるところがない。名著のほまれ高い教科書がここによみがえる。
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- 評価
あらひの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オザマチ
13
文庫となったルベーグ積分の入門書。とりあえず、細部には拘らずに目を通した。フーリエ解析や確率論との関係に言及している本を読んで、またこの本に戻ってこよう。フビニの定理は学部の講義で学んで何気なく使ってたけど、結構奥深いものだったんだなぁ。2015/10/03
ろくしたん
2
積分にもいろいろあるらしい。時間がなかった。2022/06/05
**5
1
文庫本サイズで電車でも読みやすい(ただし、証明を追うには紙とペン必須)。 証明も割と丁寧で演習問題もついているためおすすめ。
aloha
0
読みやすく,数学書であるが愉快に読むことができた.自分は数学書1冊に1年くらいかかってしまうが,この本は2ヶ月半で済んだ.(むろん分量が少ないのはあるが.)ルベーグ積分の基礎事項をこの短期間で修得できたのはありがたかった.心地よい文体,浅い行間,教育的な構成でありながら,論証の周到さを失っておらず,非常に気に入った.文庫サイズで,ペンがあればどこでも読めるのがうれしい.(ほとんどの行間は解決可能だったが,IV,§3,注意1のfの有限性の仮定と,VI,§8,注意2の増加関数の絶対連続性は解決できなかった.)2023/10/01