内容説明
著名な料理研究家を父に持ちながら一切料理ができない女子高生・ちとせ。父の入院をきっかけに壊滅的な食生活を送っていると、先生がお弁当を作ってくれることに。喜んだのも束の間、そのお弁当がトラブルを招いて?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
73
料理研究家の父を持つが、料理が全く出来ない女子高生のちとせは、父の入院を機にコンビニ弁当ばかりの食生活を送ってしまう。しかし、父の料理教室に通っていた社会科教師の小匣先生が彼女の事情を知り、ちとせの為にお弁当を作ってくれるようになるのだが……。おにぎりコロッケや鶏肉と枝豆の唐揚げ等、美味しそうなおかずが沢山登場し、ちとせと共に目を輝かせてしまいました。お弁当を通して友人とギクシャクしてしまう事もありましたが、ちとせが小匣先生のアドバイスを受けながら、お弁当を通して友達と絆を深めていく様子が良かったです。2017/03/17
佐島楓
58
題名から甘目な内容を期待して購入させていただいたけれど、ちょっと(だいぶ?)違っていて意外な喜びがあった。料理が作れないことにコンプレックスを抱く料理研究家を父に持つ女子高生と、鉄面皮だけど料理の腕前がレベルの高い先生。面白いですねこういう変化球もの。もう絶対に一筋縄ではいかない二人、これからどうなるんでしょう。ことごとくお料理の描写が美味しそうなのも楽しい。ちょっとミステリ要素があるのも好みです。2017/03/18
メルル
29
拠所無い事情から、ロボメガネ先生にお弁当を作ってもらうことになった、ちとせ。そのお弁当の美味しそうなこと。食べることに目の無いちとせは、胃袋をがっちりと掴まれる。お弁当に関係する謎。先生はとことん、謎に付き合ってくれる。冷淡に見えても優しさ溢れる先生なりのアドバイス。この先生、もうすでに悟りを開いていそう。ギャップ萌え。茜との友人関係を築いていく様子が良かった。ベッタリだけが、友じゃない。2017/05/10
おかだ
27
軽いものが読みたいなと娘の本棚から拝借した本。本当に軽くてサクサク読めた。女子高生のちひろは父親が料理研究家だけど料理が全くできない。ある日父親が事故に遭い入院、突然食に困るようになる。ひょんな事から学校の先生にお弁当を作って貰う事になり、というお話。愛想なしの先生が作るお弁当が絶品。そしてお弁当を絡めた軽い謎解きが3つ。先生の推理がキレッキレですわ。ちひろと先生の今後に含みを持たせた終わり方してるけど続きは無いのか。ほのぼのと楽しめる、確かに中学生女子向きの小説だった。2023/12/01
たこやき
11
料理が全くダメなちとせが、料理研究家の父の弟子である先生にお弁当を作ってもらうことから始まる日常の謎ミステリ。謎そのものはシンプルなものが多いのだけど、料理を介して謎を解いた後の傷や裏もある。でも、それを知って、一番、ハッピーになる方法を、という解決策が心地よかった。そして、最後のエピソードの、ちとせの母が作った弁当を巡る謎。料理が下手だったけど、ちとせが大喜びした、という弁当の正体。そして、ちとせが、料理をしなくなった原因。序盤で出た伏線をしっかりと回収し、しっかりと物語がまとめ上げられている。2017/12/22