創元世界史ライブラリー<br> 創元世界史ライブラリー 近代ヨーロッパの形成 商人と国家の近代世界システム

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader

創元世界史ライブラリー
創元世界史ライブラリー 近代ヨーロッパの形成 商人と国家の近代世界システム

  • 著者名:玉木俊明【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 創元社(2017/03発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784422203362

ファイル: /

内容説明

近代ヨーロッパ世界は他地域をはるかに上回る経済成長を遂げ、強大化した。では、その「近代ヨーロッパ」はいつ、どのようにして形成されたのか。本書では「近代世界システム」論を批判的に摂取、欧米の最新の研究成果を整理しながら、アントウェルペンを起点とする商人ネットワークの拡大と、産業革命、財政軍事国家論を関連づけ、近代ヨーロッパ形成の過程と理由を多面的かつ具体的に論じる。経済史家ならではの考察が光る一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

左手爆弾

6
ウォーラーステインの近代世界史ステムを批判的に継承し、また限られた文献でのみ読み取ろうとするグローバルヒストリーの手法を批判しながら、近代世界の成立を描く。筆者は単に資料が語ること以上に、リアルなものの流れ、さらには情報の流れに注目する。アントウェルペンの商人離散を期に、離れていても等質なシステムが出現し、それによって国家の政治的領域に縛られない商業空間が成立したことを重要視している。商人の自由な活動が政治に先行して統一をもたらしたという視点は重要であろう。あとがきでは歴史研究の方法について熱く語る。2015/01/14

人生ゴルディアス

5
とても刺激的な読書体験だった。近代の「ヨーロッパの時代」はいかにして形成されたかについて、欧米の先行研究を批判的に論じながら著者の主張(まずある都市にノウハウが蓄積し、政治的な理由で離散民となった者たちによって技術とネットワークが拡散され、その時代で最もネットワークをうまく使ったものが勝者となってきて、その最後の勝者がイギリスであった)が織りなされるが、ものすごい量の論点が出てきて打ちのめされる。ここも復習しなきゃ、この論点の本も買わなきゃ…と目が回るが、とても楽しい一冊だった。2024/07/14

hurosinki

4
再読。近世、北方ヨーロッパの大都市アントウェルペンには膨大なモノ・カネとともに、宗教的寛容から人々と情報が集積していた。スペインの脅威を受け、16世紀中盤〜17世紀前半にかけて多くのアントウェルペン商人がロンドン、アムステルダムに移住する(ディアスポラ)。こうして商業知識を共有する三都市からなる巨大な経済圏が北西ヨーロッパに出現した。書類様式など商業知識の均質化には商人の移住のみならずグーテンベルク革命による『商人の手引書』の大量出版、取引所からの商業新聞の印刷も寄与していた。ここが本書のキモになる。2020/04/22

預かりマウス

1
この著者の本は何冊も読んできたが、本書もわかりやすく面白い書。ウォーラーステインの「近代世界システム」論やグローバルヒストリーを批判的に摂取しながら、財政-軍事国家の経済政策と、国際的な商人ネットワークが近代ヨーロッパの形成に大きく寄与したと立論する。産業革命の虚実を巡る様々な議論についても扱われている。あとがきでは歴史叙述に係る著者の考え(歴史叙述は個別史料の集積では有り得ず、歴史家が全体を見通す力が重要)が述べられており、こちらも中々面白い。2021/03/06

陽香

1
201209102017/07/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4750197
  • ご注意事項

最近チェックした商品