内容説明
ミステリ作家・綾辻行人に持ち込まれる“問題”はひと筋縄ではいかないものばかり。崩落して誰も渡れなくなった〈どんどん橋〉の向こう側で、燃える〈ぼうぼう森〉の中で、明るく平和だったはずのあの一家で……勃発する難事件の“犯人”は誰か? 超絶技巧がちりばめられた五つの超難問に挑め! ミステリシーンを騒然とさせた好評の作品集が読みやすい改訂新装版に!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かみぶくろ
131
ルール破りギリギリのトリックを繰り出してくるフーダニット中編集。もはやミステリーって学問の一分野なんじゃないかっていうくらい、ミステリー作家たちは研究熱心だ。作品もまるで新物質発見を発表する論文のよう。あんまり深く考えない自分には、当然一つも犯人を当てられなかったが、このギミックの数々はミステリーマニアには堪らないんじゃないだろうか。2017/02/19
aquamarine
95
犯人当ての短編5編。そんなのわかるかよ、って思ってしまう解答なのですが、読み直してみると実に綺麗に伏線が張ってあって、ちゃんとフェアで驚きます。伊園家のブラックさには、ちょっと引きましたがこれも良かったです。井坂先生とどうやって知り合ったかはとても気になるところです。でもやっぱりすべてを持って行ってしまったのは「悩める自由業者・リンタロー」と毎回登場する「タケマル」。彼らとの関係を想像して、なんだか暖かい気持ちになりました。「人間じゃない」にシリーズ番外編のような一編があるそうなのでとても楽しみです。2017/04/08
キナコ
92
再読。犯人あてをメインとした5話の短編。三つは犯人当て成功!この作品を読むたび、ミステリー小説はただ読むのでなく、文章を読み込んでどこに伏線があるのか探すのが面白いと感じさせてくれる。2022/02/02
セウテス
88
〔新装版にて再読〕小説ならではのトリックを駆使した、5編の連作短編集。「アンフェアではないのか」と思う読者も居るだろうが、間違いなくフェア。ただし「セコイのではないか」と問われたら、私はその通りと答えるだろう。やはり叙述トリックは、物語の中の一部に然り気無く使われてナンボと感じる。叙述と解った時点で、此方は嘘発見器になってしまう為、読書より作業という感覚になるからだ。真面目にやったら文句が出るかなという謎解きを、在る意味奥深い小話で、笑える構成にしたセンスは抜群だと思う。これもミステリの一つ、と言う事で。2017/04/27
イアン
86
★★★★★★☆☆☆☆ 犯人当てに焦点を絞った綾辻行人の短編集。確かにフェアではあるけれど、打ち気満々で挑むとタイミングを外されるようなクセ球ばかり。収録された5編とも読者の〝先入観〟を逆手に取ったトリックなので、これを許せるかで大きく評価は分かれそう。個人的にはちょっと狡いと思うけど、そう言われることを見越して伏線を張ってあるあたりは流石だと思うし、「伊園家の崩壊」の国民全体を敵に回すようなブラックな設定も嫌いじゃない。そんな自分は、最後の「意外な犯人」で捉えたと思ったものの、ボテボテの内野ゴロでした…。2020/08/15
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