内容説明
登天郵便局は、亡くなった人が成仏する前に寄る郵便局。来た人は貯金窓口のオンライン端末で生前の善行を「功徳通帳」に記入し、地獄極楽門をくぐって次の世へと渡る――はずが、門の手前で突然消える人が続出。成仏できない人たちは、どうやら生前、罪を洗い流す温泉に入っているらしい。占い師によると、その温泉郷を探し当てるにはふたご座B型の女性が必要だという。それはまさに、探し物が得意なアズサのことだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
160
幻想シリーズ第5弾。狗山のてっぺんにある登天郵便局。功徳通帳に悪行が印字されない事例が続出!どうやら罪を洗い流してくれるという温泉が絡んでいるらしい。主人公アズサはその温泉を求めて駆け回る。須藤夫妻のだんだん亡くなった長女を忘れていってしまうという罪の意識に泣けた。アズサの身代わりでにわかOLになった青木さんのエピソードとかもっと知りたいな(笑)。ベースはファンタジーでありながら時々ゾクッとくるホラーあり、ハチャメチャワールド全開で今回も楽しい読書でした。2020/06/20
おしゃべりメガネ
147
『幻想』シリーズの5作目にあたり、一作目の『郵便局』からの続編になります。二作目の中途半端な繋がりから一転、本作はしっかりと登場人物も続投しており、安心して読み進めれました。亡くなるまでの善行、悪行をしっかり記帳する「功徳手帳」が不思議なコトに。なぜか悪行が記帳されず、黄泉の国へ行く前に姿を消してしまう死者の謎をつきとめるべく、再び「アズサ」がやってまいります。今作は話の軸がしっかりとしており、話があっちにいったり、こっちにいったりはせず、落ち着いて読むコトができました。また「アズサ」の活躍を期待します。2018/10/21
takaC
96
これは正統派「幻想」シリーズ。続編も期待したい。2017/05/14
りゅう☆
84
登天郵便局の続編。功徳通帳に悪行が全く印字されてない人が地獄極楽門をくぐる前に消えてしまうという。罪を洗い流す温泉につかれば犯した罪が全て帳消しになるという。さて探し物得意なアズサの出番。青木さんがアズサの代わりに東京でOLになりきったり、狗山比売の命令で銀行強盗のお手伝いをしたり、自殺しかけた生田さんを助けたり、その生田さんと枯ヱ之温泉を調べることになったり。相変わらずハチャメチャです。でもそこには隠蔽された殺人あり。枯ヱ之温泉で何が起こってるのか?知りすぎたアズサは無事でいられるのか?このシリーズに→2020/02/25
Mark
69
相変わらずの面白さ、いい感じですね。お気楽、お手軽に読める本ですが、ウムとうならされたり、ほろっとしたりと楽しく読めました。あずさの活躍?がなんともまったりとしていいですね。温泉と聞くと何やら特別な効能でもあるのかなと想像や興味がかきたれられますが、タイトルで惹かれこの本を手に取ってしまいました。日曜日のまったりとした時間を過ごすむきにはお勧めの本ですよ。2017/01/15