内容説明
岡田准一主演! 映画「追憶」原作小説!
二〇〇六年三月、王貞治監督率いる日本代表は、第一回ワールドベースボールクラシックで世界の強豪国と激戦を演じていた。同じ頃、北海道警察本部刑事部捜査一課の四方篤は、すすきののラーメン店で、野球仲間だった川端悟と二十九年ぶりの再会を果たす。川崎市在住の川端は、金策のため北海道にやって来たという。
その翌々日、小樽市郊外の臨海部で川端悟の刺殺死体が発見された。悟は死の前日、娘との電話で「懐かしい人たちに会った」と言い残していた。四方は、容疑者として浮上した人物もまた、古い友人であることを悟る――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
188
ふと書店で見かけて妙に気になる作品ってありませんか?何の予備知識や情報もなく、知らない作家さんや聞いたことのないタイトルだったり。しかし、そういった作品が意外にもストライクだったりしたのが本作です。作家さんは脚本家さんで本作が小説デビューとのこと。脚本家さんらしく、文章はとても読みやすかったです。映画化もされており、登場人物もイメージしやすく、すんなりと読了でした。とても重厚なテーマなのに、あえて短めにまとめ綴りあげた分、余計に印象に残りました。家族、大切な人、親への想い、それぞれが見事に描かれています。2017/03/08
🐾Yoko Omoto🐾
156
少年時代の一時期を共に過ごした3人が抱えた、生涯忘れることを許されない秘密。忘れたい一心で警察官という職に逃避した篤、守るべき者のためにも決して忘れてはならないと己に課す啓太、上手く行かない人生に苦悩する悟。二度と会わないと誓った3人の29年ぶりの再会が、目を逸らし続けてきた過去へと針を巻き戻す。映画、原作ともにそれぞれの良さがあるが、篤夫婦のこれから、事件解決の糸口、ラストの括りなど終盤の展開は原作のほうが好みだった。他人の人生を狂わせてしまう出来事に、深く関わることの苦悩が丁寧に描かれた良作。2017/05/14
雪風のねこ@(=´ω`=)
132
刑事ミステリではなくヒューマンドラマとして描かれているし、救われる展開なのでそれほど暗い印象は受けない。守られた経験のない者は守り方も判らない。それも不幸であるが、真に不幸なのは"守られていたと気付いていない"という事である。だから平気で人を傷つけ、自分を傷つける。自分が傷ついている事に気付きもしない。そして、最後に取り残されて初めて孤独を知り、寂しさに埋もれてしまう。正しく不幸だと言える(続く2017/12/08
あすなろ
122
29年間、道は何処かに続くと歩き続け、結局、何処にも行けなかったよと3人は嘆く。目指す途の果てには何があるか?それは思い描く家族の姿。これを選手から監督になっても日本一を目指す王貞治の姿も借りる形で描く。脚本家である青島氏の初小説とのこと。やはり映像的描写は多いが、読ませてくれた作品でした。途は確かに家族、それも理想の家族に辿りつくよう我々は皆、歩いているのかもしれない。2017/05/09
しいたけ
116
灰色の雨に溶け込む追憶に差し出される赤い傘。人が差し出したい想いと受け止めたい想いは、いつでも同じもの。誰かを抱きしめるのは、誰かに抱きしめてもらいたいから。「困っている人に、傘を差してあげて」そう告げる女もまた、差し出される傘を待つ。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。生まれた子どもが、彼らの結実。必ずや幸せに生きる。2017/04/15
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