内容説明
世界の富裕層上位62人が保有する資産は、人口の半分にあたる下位36億人の資産とほぼ同じ!?
富める者がますます富み、貧しき者がますます貧しくなる「本当の理由」を、克明な現地取材とともに、池上彰が徹底解説!
お金持ちがますますお金持ちになる狡猾な仕組みは? 貧しい人がますます貧しくなる残酷な実態は? 触れられなかったタブーに池上彰が斬り込む!
2016年6月に発刊し、好評だった『なぜ、世界から戦争がなくならないのか?』に続く大テーマに挑む第2弾。
ミリオネアなんてまだまだ。世界には資産1100億円以上持っている“ビリオネア”が相当数いることが判明。大富豪のイメージの強いドナルド・トランプ氏など、全米長者番付ではなんと100位にすら入っていない! そんなアメリカでは“お金持ち”が市を作ってどんどん独立していた! そこで、池上彰はウォール街に飛び、瞬時に富が富を生む現場を緊急取材! また、トランプ氏の意外な節税対策が紹介され、スタジオ中から驚きの声が。その対策にはある動物が使われていた!
一方“総中流社会”と言われた日本では生活保護受給者が毎年増加し、その影響を子どもたちが受けている深刻な実態が明らかになる。貧困家庭では、子供に十分な教育を受けさせることができず“教育の格差”が生まれてしまっているのである。そうした子供たちはどんな生活を送っているのか? そもそもなぜ日本で格差が広がったのか? 安倍内閣の掲げる“働き方改革”で格差は解消されるのか?
格差が拡大している世界へ、池上が緊急提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsuyoshi
61
国内外で起きている様々な格差を分かりやすく解説してあり格差是正がいかに難しい現状なのかがよく分かる。そんな中でも日本での「教育機会の格差是正」は是非早急に進めるべきだと思った。消費税を財源にカバーできるようだし、こういう使い方なら増税にも異論は少ないのではないか。2018/09/05
レモン
33
大手安売りチェーンは結局近隣の商店を潰し、雇用を生んでも低賃金など労働環境が悪く、安いからと喜んでいてはいけないと言うけれど、その価格で何とか生活が成り立つ人がいるのも事実。手作りのものならともかく、同じ商品は誰でも少しでも安く買いたいもの。格差是正は無理としても、子どもの貧困だけはなくしてほしい。アメリカの富裕層が勝手に独立して市を作った話にびっくり。自分も富裕層になったら支払った税金は自分のために使ってほしいと思うかもしれないが、あまりにも自分だけが良ければいいと思う人が増えすぎでは。2022/03/04
kawa
22
TV番組を書籍化したもので、岩波ジュニア文庫のおもむきで解り易い。格差の理由が、ピケティの「r>g」(株や不動産の運用で得られる利益(資本収益率:r)が4~5%なのに対し、働くことで得られるお金の増加率(経済成長率:g)が1~2%)だから、格差は広がるばかりは説得力ありですが、ある意味、身も蓋もない話で、じゃあ、どうすべきかを語ってもらいたかった。子供の教育格差を最優先すべきは同感だが、大学卒業(大したスキルが身に付くわけでもない)までにかかる金銭が、数千万円もかかる制度にも手を入れるべきだと思う。2017/06/02
hk
20
……ブルームバーグとはアメリカのウォール街に本社を置く金融に特化した通信社だ。原油、鉄鋼、ポーキサイト、穀物、債券そして株式の価格をリアルタイムで世界に発信している。1981年設立と思いのほか若い会社だが創業者のブルームバーグ(前ニューヨーク市長)は、世界の資産家ベスト20に名を連ねる正真正銘の大富豪だ。このことから情報卸問屋のブルームバーグがいかに荒稼ぎをしているかが伺える。またブルームバーグは世界の大富豪たちの総資産変動をリアルタイムで発表、と下世話な一面もある。……本書で得た知識をさっそくご開陳。2017/09/06
zoe
18
2017年。自由競争の果て。大富豪8人の資産は、人口の半数下位36億の資産と同じ。親譲り資産もいるし起業家もいる。シンガポールは減税政策で裕福層を呼ぶ。出て行く側に課税して流出防止する方法。製造と賃金。人件費が安い国に生産拠点を移していく。当時はバングラデシュが最終地点と記載。でも、2022年になるとフィンテックのイノベーションもあり相当状況に変化もあるとか。消費税を2%上げれば、大学までの教育費を無料に出来る試算。教育は格差是正と社会全体の向上を目指す方法。2022/03/26