- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
廣松渉がヘーゲル学者の加藤尚武とともに、ヘーゲルの哲学体系を鳥瞰できるよう、テーマ別にその全作品からポイントとなる箇所を抜き出し、独自に訳出した名アンソロジー。佐藤優氏推薦!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
30
主観と客観、普遍と個別をと包越する絶対精神を定立する、という類の内容が繰り返されています。ヘーゲルの体系化された全体性に触れるために、なぜ本書は断章を用意したのでしょうか。断章は原典のコンテクストを寸断し、それらを並べることで新たなコンテクストを捏造します。レトリックの強度があるタイプにはみえないので、「精神」とか「自己」とか同様のフレーズの箇所が単調に並ぶ結果になっており、ヘーゲルの紹介には適しているとは思えませんでした。読メレビューが少ないのが読者の偽らざる実感かと思います。2018/11/08
しゅん
15
ヘーゲルの小論文集を想像していたら、長いテクストからの断片集だった。ヘーゲル理解よりも1930年代生まれの廣松・加藤への理解が深まった印象。いびつな本だなというのが率直な感想。とはいえ、人間精神の発展の先に国家はあり、国家は自由を実現した体系であるというヘーゲルの国家観を原文からの訳で読めたのはよかった。ヘーゲルの国家定義と国家の現状分析を組み立てると、それが「国家は未だ到来してない」になり、マルクスの発想に接近することがわかる。同時に、保守思想にも針が振れるのがヘーゲルだなと思う。2022/12/27
yokkoishotaro
0
これはおそらくかなりハイレベル。お、ここを選んでるな、と言えることを目指して頑張りたい。2020/02/29