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内容説明
辛亥革命の大立者は国父と称えられ、一方、新文化運動の指導者にして中国共産党創設者は裏切り者扱い。歪んだ評価を正し、中国近代を招来した二人の真の像を対比的に描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
37
孫文に対して著者の評価は厳しいが、でも、徒手空拳で世の中を変えようとしたとき、他の勢力を政治力で利用する孫文的方法と、教育や出版で下から変えようとした陳独秀的方法と、それは等しく価値のあるやり方だと思う。当時の中国は列強の勢力にせよ国内の群雄割拠ぶりにせよ、日本の幕末よりも相当に厳しい状況だったわけだし。まあでも著者は、孫文は評価され過ぎ、陳独秀はなおざりにされすぎ、と評価を是正しただけか。◇孫文は薩長に幕府の力まで利用した坂本龍馬、陳独秀は学校作って新聞出した福沢諭吉。そう気づくとがぜん面白さが増した。2017/05/25
スパイク
9
孫文中山、碌な人物じゃなさそうですが教科書や巷では偉人扱い。孫文に足りなかったのは実績と軍事力。実績がないのに革命の英雄に収まるあたり、レーニンに近い気がする。政治的実績はコミンテルンと繋がってから。袁世凱路線の方がまともな近代を迎えられた気がする。/陳独秀、ウィルソンに失望して啓蒙民主主義から一転ボルシェヴィキ支持へ。どうしてこうなった。真っ当な人間のようですが、理想主義と徹底的な欧化主義なあたりが共感できなかった。しかし新文化運動による近代化への功績は孫文よりずっと大きい。評価されるべき人物。2019/10/24
ジュンジュン
3
中華民国が専門の著者が、「国父」と偶像化された孫文と「裏切り者」と貶められた陳独秀を、そのギャップを埋めて正しく位置づけようと試みる。二人の対照的な考え方の違いがより鮮明になった。その反面、生涯を跡づけるには不充分(第一次国共合作まで)。2017/11/02
しんさん
1
パール・バック「大地」の時代背景を学び直し。国共合作と応仁の乱、五胡十六国、鎌倉新仏教あたりは、何回覚えても一晩寝るとほぼ忘れる。2017/03/16
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