内容説明
五歳のとき別荘で事件があった。胡蝶グループ役員の父親が階段から転落し意識不明。作家の母親は自室で縊死(いし)していた。夫婦喧嘩の末、母が父を階下に突き落とし自死した、それが警察の見解だった。現場に居合わせた僕は事件の記憶を失い、事業を継いだ叔父に引き取られた。十年後、怪しいライターが僕につきまとい、事件には別の真相があると仄(ほの)めかす。著者長篇デビュー作、待望の復刊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
64
著者のデビュー作。講談社ノベルスでの初版で読んでるはずだが、あれから30年!か。中学生の少年の一人称で、事件が終わった後で書き留めた手記の体裁です。つまり、思いっ切り苦手な青春ミステリーでした。どんな話か忘れてたんだからしょうがないけど、読んでる間中辛かった。正直出て来る人物全員に共感出来ず、事件の真相にも興味を持てず、手に取った義務感だけで読み切った感じ。ただね、この後書き読んじゃったら、数時間で読んで文句言ってるのが申し訳無くなった。著者の人生を変えた作品、私以外の多くの方に楽しんで欲しい、ホントに。2019/04/21
涼
50
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/11/post-9bc9f0.html 著者のデビュー作。【名古屋駅西 喫茶ユトリロ】シリーズから一転(というか、こちらが先ですが)、タイトルからして怖い本です。2024/11/03
とろこ
49
28年前に発行された小説の復刻版。時代背景は全く異なるが、今読んでも面白い。5歳の時に、父は階段から転落して植物状態になり、母は自殺した主人公・裕司。彼は記憶を失い、叔父の元で、従姉妹と共に育てられていた。15歳になったある日、裕司の前に、「君は一体誰なんだ?」と問いかけるフリーライターが現れ…。「自分」を取り戻す為に、過去の記憶と、両親の事件の真相を探っていく内に、裕司は、残酷な真実を知ってしまう。…「君は一体誰なんだ?」もしかしたら、私の記憶も改ざんされたものかもしれない。私は本当に私なのだろうか。2017/03/22
ノア
37
この本を読む前にレビューを見て、周りの反応はあまり良くなかったが読んで見ることにしたが個人的には好きな本だった。推理小説に慣れてないからかもしれないが、私のような初心者は十分楽しめるということだ。他の本も読んでみようと思った。2018/07/09
ちょん
31
謎が謎を呼んで、物語に置いてけぼりにされたような感覚でお話が終わりました(笑) そこまでやるかー、ってくらい伏線引いてきたなぁ。 にしてもこの作者さんの振り幅は広いなぁ、今まで読んだ本のあれもこれも太田さん!すごいなぁ(*^^*)2018/06/11