復刻版 怪談人間時計

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復刻版 怪談人間時計

  • 著者名:徳南晴一郎
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • 太田出版(2017/03発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784872333138

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内容説明

これは”読むドラッグ”である。
マニアの間では10万円以上の値段で取引されていた奇書「人間時計」が、ついに復刊。
もう一つの怪作『猫の喪服』も同時収録で、消えた天才マンガ家・徳南晴一郎の世界が今よみがえる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

70
「怪談人間時計」と「怪談猫の喪服」の二編を収録。内容はシュールレアリスムに近く、漫画にも関わらずストーリーを追うのは非常に困難である。そんな粗筋に独特の絵柄が加わり、妖気すら漂ってくるような内容に。よく悪夢に不条理な進行があるけど、本書もそんな悪夢の中を彷徨っているような読み心地がする。個人的にはクビーンの絵画やドイツ表現主義映画、特にカリガリ博士を連想したけど、やはりどこかデッサンの狂った人物像や背景、影の使い方や不条理さ等からの連想かなあ。とあれ以前から読みたかったカルト作、想像以上の作品でした。2023/07/01

三柴ゆよし

13
当の本人は大真面目なのに、大上段に構えれば構えるほど、他人からはどこかずれた人あるいは一種の狂人と見做されて、いよいよ自己と世間との懸隔をはなはだしくする人がいる。そしてまた世の中にはその一書を以て、彼の先に人はなく彼の後にまた人はなしという、まさしく孤高の名に足るかたちで後世に語り継がれるべき天才でありながら、おのれ自身がこの世に存在したあかしを跡形もなく消し去りたいと願うそれはそれは変わった人がいて、たとえば本書の作者徳南晴一郎などはまさしくそうしたアウトサイダーとしての生を享けた人といえる。(続)2015/06/20

海猫

12
なんというカオス。絵や話は明らかに稚拙だと思うが著者のセンスがずば抜けて異様。特に構図の取り方が凄い。シュールレアリズムの極みのような内容でまさに悪夢。この不安定さをどこまで狙って描いているのか全く理解不能。これほど安心して見られるコマのない漫画を読んだのも初めてのことで、画面の迫力で引き付けられるという意味では漫画の根源的な生々しいパワーのある作品だと思う。2011/08/04

袖崎いたる

7
哲学といい、宗教といい、文学といい、いろいろなジャンルで善とされていることのひとつとして時間感覚の較正があるように思う。本書もどうやらその類のようであることを、巻末の解説文にて知った。個人的には絵画性という趣味があったように思う。構図が「そう来るか!」な具合でそうしたコマを見つけることにときめいたりして気づくと話の筋を忘れて捲り戻って確かめたり。しかしなるほど…時間か。そういう視座を枠にしてみると言語と時間という命題がもやつくな。作者は夏目漱石みたく表現することで安定するような精神だったらしく、示唆的。2017/02/26

vaudou

6
カルトの名高い貸本漫画家、徳南晴一郎。活動期間の短さとその後の消息についての手掛かりの少なさもさることながら、当の本人が出版を固く拒み、作品を闇に葬ろうとしていたという曰く付きの逸話が、そのカルト性に拍車を掛けていることは間違いない。「人間時計」「猫の喪服」の二編を収めるが、ページを繰るほど焦点は狂い、平衡は失われる。この世ならざる世界が映る、漫画の衣を借りた異界の覗き窓とでもいおうか。2016/10/10

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