ちくま学芸文庫<br> 現代思想の教科書 ──世界を考える知の地平15章

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ちくま学芸文庫
現代思想の教科書 ──世界を考える知の地平15章

  • 著者名:石田英敬【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 筑摩書房(2017/03発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480092793

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内容説明

現在、私たちを取り巻く「知」の数々は、20世紀以降の世界がおかれた4つの状況から発生する。本書ではそれを、ポスト・グーテンベルク状況、ポスト・モダン状況、ポスト・ナショナル状況、ポスト・ヒューマン状況と名づける。そして、そこから浮かび上がってくる「イメージと記号論」「情報とメディアの思想」「ナショナリズムと国家」など、15個のトピックスに切り分け、ソシュール、レヴィ=ストロース、フーコーという巨人たちの思想を読みなおしていく。ありきたりの哲学教科書では学ぶことのできない、現代思想における全ての最重要論点を、一から平明に解く15章の徹底講義。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

17
思想とはあやふやで不確かな森羅万象の全てを、世界を、自分なりに捉え咀嚼すること。その上で世界をどう評価し、それとどう対峙しているのかという姿勢のこと。ぼくたちのような平々凡々な人間にはゼロから自分の中だけで思想を組み立てることなんてできる筈がないので、こうした本に紹介される智の結晶から(言い方は悪いけれど)良いとこ取りをして、少しずつ自身の思想を鍛え上げていくしかないんだろうなと思いました。こちらで挙げられたトピックスだけではなく、ありとあらゆることについて考える癖をつけていきたいものです。2020/11/20

記憶喪失した男

16
記号論についての記述は今までに知る中で最も詳しい。この人が現代思想の東大の先生であり、放送大学で現代思想の講義をしたものをまとめたものである。記号論の始祖をソシュールとしている。非常にたくさんの名前が博学な知識に基づいて語られる。やはり、万物は人類が認識する記号より奥深いものであるから、記号の消費は否定的に見るべきだと思った。良書。 2017/05/29

ハルト

8
読了:◎ 初心者でも立ち止まることなく読めた。20世紀以降の〈知〉を4つに分けて、そこからの現代思想を読み解いていく。「思想」とは━━ひとりで「世界を基礎づける」ことであり、考えるということを通して世界を形作ること。現代思想を全体図で俯瞰したようで、思想と思想の繋がりがわかりやすかったです。巻末に読書案内もあったので、徐々に原本に近づいていきたい。2020/09/27

Y田

8
現代を読み解く大枠としてまず「4つのポスト状況」(ポスト-モダン、グーテンベルク、ナショナル、ヒューマン)を提示し、基礎として【記号,言語学、無意識について、構造主義】を論じた後、現代の問題群(問題系)として文化、社会、テクノロジー、メディア、ジェンダー、戦争など、大枠、全体を俯瞰する形の解説書。今回理解できた事は、「問題群」と言ってる様に問題は繋がっていること。言語学や数学等の基礎的な理論がどれだけ影響して繋がっているかも分かった。最後に提唱する「総合知」というのも興味深い。2020/03/20

ころこ

8
本書は、著者が放送大学で行った講義のテキストとしてつくられたものが基になっています。成立経緯を語るタイトルが地味過ぎて、過小評価されているのでないかと心配になるくらい優れた著作です。哲学や思想の入門書には、哲学者思想家の仕事や著作ごとに解説することで全体の状況を表現するタイプがある一方で、本書の様な論点ごとに解説するタイプのものがあります。前者はいわば歴史なので、理解し易いが深い理解に到達出来ない、後者はその逆だと言えます。論点ごとに深い理解を目指す本書の「深い」とは、論点ごとにつながりがあるという意味だ2017/05/19

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