内容説明
美少女と武士の魂を受け継いだ男が、己たちの存在意義をかけて疾走する。かつてこの国には、人の暮らしから生まれ、人とともに生きた神がいた。九十九神――永く使われた道具に込められた想いが、具現化した存在。しかし幕末、異人の黒船が日本を急襲。国を護る侍たちは、九十九神と力を合わせて戦ったが、激戦の果てついに敗れ、国は異人に奪われた。そして時は流れ、明治五年。荒廃した日本を再建するため、一人の少女が立ち上がる。元幕府将軍家の姫・立華。生まれもってのカリスマ性をもつ彼女と、役目を失った「刀の九十九神」が出会う時、歴史はふたたび動き出す。イラストは藤ちょこさん。本文の魅力を存分に引き出してくれている。読み進めるうちに世界観に引きずり込まれ、生きるとは何か、戦うとは何かを気づかせてくれるハラハラドキドキの一冊だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カインズ
5
【刃の振るい方】外国の植民地にされてしまった架空の明治時代の日本を舞台として九十九神と人間が独立を目指していく物語。味方だけではなく敵も魅力的であり、それぞれの主張のどちらにも頷けるところがある骨太の話であった。脇役にもきちんとした信念があるため、会話のやり取りからも真剣さが感じられる。九十九神が持つ能力も個性的であり、バトルも面白かった。世斬と立華の時にはとぼけた、時には真剣なやり取りも印象的だ。一冊だけで大きく展開が動いているため、魅力的な一つ一つのシーンの描写がやや短いところが残念だった。2011/12/26
nyapoona
2
アニミズム信仰と政治をドッキングさせた時代小説。3冊構成の本のダイジェスト版を読んでいるかのようなボリュームの薄さが残念だけどアイディアやストーリー自体は面白い。でもこれスマッシュ文庫じゃなくてメディアワークス文庫でやったほうが良かった気がする。2012/02/10
寒上ぺそぎん
1
お気に入りの方のコメント見て、たい本から積本へ。それからしばらくして、ようやく手に取ったワケですが……、もっと早くに読めば良かった!!! という、良い拾いモノでした。読んでいて、“あやかしがたり”や“妖魔夜行”を思い出したりしつつ、似ているけれどもやっぱり違う、そんな独自性を楽しむ事ができてポイント高し。強いけれども斬られれば痛みを感じるし血を流しもする、こころある付喪神とひととのこの後が気になります。久し振りに、続きが楽しみな新刊でした。……作品設定の特殊性を活かして、次作は百年後とかもアリかもですな。2012/02/10
こんこん
1
これはもっと大きなスケール/スパンで見たかったなあ。ただ二人の決着に押し込めてしまうのはもったいない。2012/01/02
nawade
1
★★★☆☆ 黒船来週の際に九十九神と共に闘ったが敗戦し植民地化された日本が舞台。旧将軍家息女と知り合った世斬が九十九神と人の在り方を問いつつ明日を語るという作者の意欲作。テンポよく話が進むので読み易いといえば読み易いが逆にそれが勿体ないとも言える。一冊にまとめるために、本来、そこにあるべきエピソードやそれぞれの想いが割愛されているような気がする。ライトノベルならそれで正しいのかもしれない。だけど、個人的には、できれば、三冊くらいに分冊したもう少し重厚なものを読みたかったものだ。2012/01/03
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