内容説明
「地黄八幡」の旗印の下、数々の合戦でその名を轟かした北条綱成。彼の存在なくして、北条氏の関東制覇はありえなかった――。駿河今川氏の猛将・福島正成の嫡男として誕生した北条綱成は、天文五年に起きた今川家の内紛「花倉の乱」を機に、関東北条氏二代目の氏綱の信頼を受けて北条一門に迎えられる。綱成は闘将の資質を遺憾なく発揮し、「北条の楔」として関東の要衝を押さえ、甲斐武田、越後上杉など数多の強敵と激戦を繰り広げる。日本三大夜戦の一つとして知られる「河越夜戦」では、八万にもおよぶ上杉憲政・上杉朝定・足利晴氏連合軍を寡勢で迎え撃ち、北条方の大逆転勝利に大きな役割を果たした。また、晩年には三代目・氏康の名代として外交手腕を発揮。綱成がもう少し長生きをしていたならば、豊臣秀吉による小田原征伐の行方も違っていたのではないか……。北条軍の先鋒として無類の強さを誇った「地黄八幡の闘将」の生涯を描く力作歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kiyoboo
27
北条方の武将の話はほとんど読んだことがなかった。上杉、武田を震撼させたという闘将ということで読み始めたが突然引き込まれる。初陣の時から先鋒として槍を振り回し戦場を駆け巡る。『地黄八幡』の旗を見ると敵が逃げ出すほどの軍団。今川から北条へと主が変わることはこの時代良くあることだが、綱成は義に厚い武将だった。信玄も人目置くほどの人物を堪能した。あと3年生きていたなら秀吉の北条征伐に影響を与えただろうという後書きも同意してしまう。この時代のわかりにくい関東の勢力図を本書でだいぶ理解できた。2016/08/12
TheWho
15
小田原北条氏二代目北条氏綱、三代目氏康に仕えた猛将として有名なく福島孫九郎こと北条綱成の生涯を語る関東争乱の戦国絵巻。駿河今川家重臣の福島家滅亡に至り北条氏綱に拾われた福島孫九郎は、氏綱の娘を娶り北条家の一門として地黄八幡の北条綱成と称せられる猛将として、管領上杉氏、関東公方、阿波里見氏、甲斐武田氏、駿河今川氏、そして上杉謙信らと渡り合い八面六臂の活躍を繰り広げる。複雑怪奇な関東争乱の後半戦を説き明かし、かつ終焉を描写する面白い一冊です。2022/08/03
maito/まいと
3
「勝った、勝ったぞ」あまり猛将のいない印象の強い北条家の中で、屈指の将と言われる綱成の生涯を描いた歴史小説。実は北条一族ではなく、今川家に仕える福島(読み方はくしま、ふくしまではない)家の嫡男。二度の落城を経験し、武田や今川と因縁ともいえる幼少期を送ったという、壮絶な過去には驚かされたが、その状況にも戦場にもひるまない姿勢が、いくらか文脈を明るくしている。あまり注目されない北条二代目の氏綱の功績に、焦点が当てられているのもgood。欲を言えば、最大の見せ場である川越夜襲の話がもっと読みたかったなあ。2009/02/03
純文若
1
北条氏には関心が強かったので、ほぼ衝動買い。 氏康の前の氏綱の代の北条氏のことが学べたのは良かった。 ただ、小説としては深みがない。小学生向けの伝記のような印象。ひたすら主人公をカッコ良く描く、という感じ。司馬遼太郎のように、短所を描くことで逆に主人公に魅力を与えるような、そういう深みが足りなかった。2011/02/14
ワッキー
0
一日で読んでしまった。 先に読んだ北条氏康の小説とは、綱成の経歴におおきな差があった。 どちらが、本当かはわからないが、綱成が戦国屈指の闘将であることには変わりないだろう。2014/05/17
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