内容説明
――殺りたい仕事がきっと見つかる。殺し屋.comへようこそ――
暗殺仕事専門のオークションサイト「殺し屋.com」。
誰でも匿名で殺人を依頼(出品)することができ、誰でも落札したら暗殺仕事でお金を稼ぐことができる。
ただし、仕事の失敗は、いかなる理由があっても許されない――。
刑事でありながら副業で悪党を狙った暗殺を請け負う佐分利吾郎。
認知症の老人に成りすまして「殺し屋.com」のアカウントを乗っ取り、殺し屋となったホームヘルパーの女。
暗殺成功率100%で伝説と化した凄腕の殺し屋、ジャッカル。
そして、ある少女の依頼をきっかけに、暗殺を斡旋する<組織>へと肉迫する探偵、君島。
金を稼ぐために暗殺仕事に手を染めた「殺し屋」たちは、転がるように窮地に追い込まれてゆく。
そして迎える、衝撃の結末とは。
日本ホラー小説大賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、史上初の3冠を達成した異才が放つ、
一気読み&二度読みたくなること間違いなしの、殺し屋エンタテインメント!
「ぞっとするような生々しい暗黒世界へと読者を誘う快作だ」 ――書評家 大森望氏
※本電子書籍は、KADOKAWAより刊行された単行本『殺し屋.com』を改題の上、文庫化した『暗殺競売』が底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
70
殺りたい仕事がきっと見つかる。ガンバル殺し屋さんのための応援サイト「殺し屋.com」。キャッチコピー笑笑!ネット入札で暗殺を請け負うという設定からまず面白い。不況のため報酬を下げてオークションに競り勝たないと仕事が回ってこないというトンデモ世界。曽根作品への期待が大きいだけに驚きと笑いがもっと欲しかったが、テンポよく読了。2019/06/07
きさらぎ
46
曽根さんが好きなので飛びついたが、ん?読んだことあるような・・・。改題文庫版のトラップに引っかかってしまった。内容はうっすらとしか覚えてなくて二度楽しめたので結果オーライ♪ 殺しの依頼をオークションで競り落とすという斬新な設定、そして掟を破った殺し屋には非情な制裁が下されるという世界。ブラックな中にも笑える要素あり。会話が洒落てて好き。2018/02/22
hnzwd
45
暗殺をネットオークション形式で請け負うサイト、という設定がある短編集。一話ごとに主人公が変わり、ストーリーも異なるものの緩い繋がりがあって、最後には軽い驚きも。続きが書けそうな終わり方や、ほとんど動いていない登場人物もあり、、。続編あるのかな?2017/06/29
left7
37
曽根さん+タイトルで読みましたが、曽根さんの作品は久しぶりでした。以前ほどのブラックさやキレがなかったように感じたのは残念でした。最後の話は曽根さんらしさを感じられましたが、それ以外の話は曽根さんにしてはイマイチな印象を受けてしまいました。勝手に曽根さんへのハードルを上げてしまった自分に反省する読書となりましたが、期待しすぎなければ充分面白いと思います。2017/11/09
ニカ
33
長編かと思い読み始めたら、短編だと気づき、最後は連作短編だったのだと知り、何回もページを読み返しました。まさか最後はあんな終わり方になるとは‥。タイトルから軽めの内容かと思っていましたが、中々頭を使う良本でした。2019/08/26