内容説明
佐東利雄は家が探偵事務所だったせいで周りから理不尽なドラマ性を求められて以来、平凡・堅実を信条として生きてきた。国家公務員を目指し順風満帆な大学生活を送っていたが、ある日、母親を交通事故から救った志川渡という男が家に同居することになる。しかし利雄は志川になぜか嫌な気配を感じる。そんな利雄に志川は不敵な笑みを浮かべ「俺は人間じゃない、魂回収係だ」と告げてきた。更に近所に住む女性・岡野が明日死ぬと教える。利雄は岡野が危ないところを助けるが、そのせいで殺人事件が起きてしまい――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瀧ながれ
23
なんでいまいち乗れないのかなあ、おもしろい設定なのに。とずっと思いながら読んでました。たぶんね、キャラクターに興味が持てない。流されっぱなしの主人公はともかく、人間じゃない相棒が期待していたほどじゃなくて、こんなに常識はずれな設定で、常識はずれなことをさせるんだから、主人公の前ではもっと変な奴になったほうが断然おもしろくなったのになあ。真犯人は気持ち悪くてよかったです。個人的な体験から「目」に引っ掛かりがあるので、この事件は印象に残りました、嫌さにトリハダたちました。タイトルも好きです。2017/02/26
きたさん
7
表紙買い。事件に人ならざるものが関わるという設定はまぁありきたりではあるけれど、それが死がわかる魂回収係というのは悪くない。主人公もまっすぐな感じがあっていい。ヒロインも嫌われる要素がない。なのに、なんなのだろうこの消化不良感。死がわかっているのにそれを防ぐことができない、という展開のせいなのだろうか。話の進め方によっては絶対面白くなる設定だと思うので、今後を期待したい。2016/11/23
ばんび
5
おもしろかったけど。。。2021/05/23
ぷに丸
5
平凡に生きていくと決めたはずの探偵の息子が、魂回収係という存在に関わることで次第に正義感を目覚めさせていく物語でした。ところどころ人外の存在であることを活かしたご都合主義なところも見られましたが、それも設定が活きていてよかったと思います。2018/08/09
紅羽
4
家業が探偵事務所だったため、幼い頃から探偵に対する過剰なドラマ性を求められ、うんざりする子供時代を送ってきた主人公。それ以来普通で堅実な人生を送ることを望んで生活していたが、ある事故から魂回収係という奇妙な青年が居候する事になり、様々な事件と関わる事になるライトミステリ系の作品。面白かったけど、少し表現が過剰なのが気になりました。2025/03/10