ちくま新書<br> あやつられる難民 ──政府、国連、NGOのはざまで

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ちくま新書
あやつられる難民 ──政府、国連、NGOのはざまで

  • 著者名:米川正子【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 筑摩書房(2017/02発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069474

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内容説明

難民問題が近年クローズアップされている。日本も長年関わっているが、難民問題の本質は理解されていない。難民保護を任務とする国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、難民支援担当の人道支援団体、難民の人権尊重を訴える人権団体、拠出国政府、受入国政府、出身国政府などそれぞれの政策のアジェンダを、マクロな視点や難民当事者の視点から批判的に分析。政府、国連、NGOの狭間で翻弄される難民の現状を、アフリカでの難民保護と支援の経験、聞き取り調査と研究をもとに報告する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころりんぱ

47
出てくる国名やら機関名、地理にも世界情勢にも詳しくない私にはとても難しかったです。国が荒れていて、虐げられて逃げている気の毒な人、という「難民」、その難民が肩寄せ合って生きている「難民キャンプ」のイメージが、この本で変わりました。上っ面しか知らなかったんだなぁという自分の無知がわかりました。間違いなく公平、正義と思っていたUNHCRや各種NGO団体の裏側、人道支援が政治的、戦略的に使われてしまっている現実を知ってがっかりしましたし、日本がしている人道支援もこんななのかなと、疑いの目を向けてしまいます。2017/04/23

きいち

33
痛くて痛くてどうしようもなくて。生半可なフィクションなど及びもつかない、現実のこと。目をそらせないのは、著者自身、このフィクションにしか見えない痛い世界で活動しており、そこでの無念を晴らすように、こうして事実を知らしめることのみ考え文章を紡いでいるからだ。ルワンダ、コンゴ、元UNHCRの闘士(だろう)だからこそ書ける事実。◇組織を辞め個人として活動をはじめたからこそわかったことが数多くあるという、その発言が重い。略語も状況も錯綜し、するするとは読めないが、その読みにくさ自体が強烈なメッセージになっている。2017/03/06

ののまる

11
UNHCRを糾弾する内容で、おぉこれは耳が痛いだろうなと思うけど、でもこの組織がないと多くの難民は困る。2017/10/07

Naota_t

4
#2021/★3.3/かつてUNHCRに11年間所属していた彼女は世間では珍しく批判的な立場だ。難民について数冊立て続けに読んだ結果、難民は政治により生み出され、政治により解決されるべきだと思ったが、政治により犠牲になっている実情もあるようだ。UNHCRの目的は、故郷を追われた人々の人権と尊厳を守ること。基本的にUNHCRは寄付で運営している。当然、寄付国の政治に敏感にならざるを得ない。全体的に、話がとっ散らかっている印象だが、なぜ、難民は子供や女性が多いのかなど、地に足がついた難民の考察は参考になった。2023/10/22

田中峰和

3
難民といえばシリアが思い浮かぶが、90年代はルワンダの虐殺を逃れた人たちの問題だった。出資国や受入国の駆け引きに翻弄される国連やUNHCR。著者自身ボランティアやUNHCRの職員として難民保護に関わってきた実務家として関わってきた。それだけに金を出すだけで横暴に振る舞うアメリカへの怒りは激しい。ルワンダ虐殺後の95年、154ものNGO団体が国内に集結したが、大半は人道支援者というより、即席専門家だった。その地域の政治について理解しようともせず、失敗しても反省せず、自己満足に陥る。彼らへの告発の書でもある。2017/05/05

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