内容説明
秀吉の朝鮮出兵に異を唱えた博多商人の生涯。
島井徳太夫、のちの島井宗室は博多に生まれたが、幼くして両親を失い、17歳にして朝鮮に渡った。朝鮮で掘り出し物の茶道具を買い付け、それを数寄者に売って博多で有力商人になっていった宗室は、對馬や酒井へと商売を広げ、妻を娶り、自身で永寿丸という船を持つようになった。
博多を治める大友義鎮や宗麟とも、宗室は交わるようになる。さらに、織田信長に、そして信長の意向を継いだ羽柴秀吉に近づく。最終的に荒廃した博多を復興したのは秀吉だったが、秀吉は朝鮮出兵を見据え、朝鮮との窓口になっている対馬の宗氏に使者を命じる。朝鮮国王に家臣になるようにと。ならなければ攻撃する、と。
「博多は、古来より大陸との交易で栄えた湊でござります。大陸とのつながりは、申してみれば博多の生命線。それを断ち切るような戦いは、関白さまであろうとも誰であろうと、断じておこさせてはなりますまい」
宗氏とともに朝鮮の交渉に当たり、戦火を交えないように工作をした宗室だったが、息子鶴松の死がきっかけになり、秀吉は朝鮮出兵を決断。急遽石田三成に呼び出された宗室は、秀吉に出兵を思いとどまらせるように諫めてほしいと言われたのだが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
naolog
6
博多の町がこれほどまでに被害にあっていたとは。武士の世の中というのも変なものですね。2018/06/18
じょるじ
1
福岡に向かう新幹線の中で読了。戦国時代物でよく名前は見ていたけど、どういった人物だっかは知りませんでした。一言で言うと、闘う商人と言うべきか。最後の「島井はわれわれ一世にて相果て候」が格好良かった。2018/11/09
三原城の守り人
0
B2017/05/06
MITOTA
0
島井宗室、こんな男が居たんだ。 石田三成が、正しいと思うことだけ言って世を渡れたらどれほどよいか、と宗室にため息を洩らすけど激しく同意ですね。2018/06/19
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