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内容説明
昔ながらの「話せばわかる」が成立しない時代。職場でも、地域でも、いま大きな問題になっているのは、背景、考え方、立場が違う「他者」と、どうやってコミュニケーションをとるかいうこと。そこで必要となるのが本書で紹介する「対話」の技術。対話とは、ひと言でいえば、「他者とコミュニケーションを取ること」に他ならない。本書では30のヒントを通じて、対話を学ぶ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAKAPO
30
『普通がいいという病』が良かったので、次に手に取った泉谷閑示さんの著書。「対話の最も重要な部分は、話すことよりも、むしろ聴くところにあります。話し手が語る場を提供し、聴いた話を処理しようと急ぐのではなく、まずはそれを共有することに意味があるのです。」養老孟司さんの『考えるヒト』に「われわれの意識は主観である」と書いてありましたが、対話を成立させるためには、われわれが各々違う主観に基づいて世界を認識していることを意識し、先ず相手が認識している世界を知った上で対話することが大切なのだということだと思います。 2018/02/03
ばんだねいっぺい
29
対話(dialogue)と会話(conversation)の違い。双方向的であるか否か。話せば分かるはあるけど、まずは、聞き方を工夫して、ほんとうに言いたいことに耳を澄ましてこちらの話し方を柔軟に変えたい。2017/11/22
うさぎ(平成元年)
11
親子間や患者と医療従事者といった信頼関係を築くための対話術。「死にたい」などの賛同しかねる言葉も、聴き手本人は同調せずそのままで良くて、相手には透明人間を差し出し、頭ではなく心にチューニングする。話し手は気持ちを汲んでもらえたと思えて聴き手を信頼し心を開きやすくなる。どんなやり取りだとまずいか、話し手が話すことは大抵「頭」であり、言葉の裏にある本当に話したい真意が「心」である、「心」と繋がってるのは「身体」、「頭」と「心」の間には蓋がある、など、たくさんハイライト入れた本は初めて。吸収しきりたい良書。2021/04/30
Hiroki Nishizumi
4
とても参考になった。良かった。対話と会話の違い、ムラ的共同体の終焉、また頭と心、相手の経験を先取りしないこと、借り物の考えかた、などなど興味深く読めた。2022/02/15
フィシュー
4
会話に深みがないように感じていて手にとった。目指すべきは会話でなくまさに対話だということを知った。ただ根本的な構造や認識といった微に入りすぎていて、かなり頭でっかち感がある内容。現場での心懸けとしては第2章にあった以下で十分かと思う。・独り言(会話や雑談)ではなく対話する【傾聴→理解(同意できなくても)→→→価値判断】 ・流れが重要、聞き手は相手の使った語を反復するとスムーズ ・他者は重なりのない未知であるという前提の上で尊重する2020/12/26