内容説明
天才医療魔術師のジークは今日も大量の命を救う。美人助手のオータムに優しく厳しく支えられ、睡眠を削り、体力も限界、それでも診療所には重症患者が列をなす。「先生、500人追加です!」「もう……限界です」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズ
56
卓越した医療魔術の腕を持つジークは、長年続く戦乱による負傷者を三人の美人助手と共に治療し続ける日々を送っていた。だが、一日二一時間勤務というブラックすぎる職場にジークは限界で、この劣悪な労働環境を改善しようと思案するが……。医療魔術師の労働環境が、「激務⇒大量離職⇒人手不足⇒激務」という負のスパイラルに陥っているせいで一向に休む事が出来ず、脱走をしようとして助手のオータムに取り押さえられるジークが不憫でした。医療魔術師なのにゴブリン三匹を余裕で倒したり、騎士団の小隊を壊滅させるオータムが強すぎてビックリ。2017/03/17
真白優樹
9
大国に挟まれ戦乱の絶えない小国で、天才医療魔術師の青年が悲哀を吐きながらも治療に励む物語。―――誰を治し、誰の為に。医療の現場はかくも悲しく。後半は割とコテコテのラブコメ、前半は過去の悲劇から救うものをえり好みする青年が、血反吐を吐いて、それでも不器用に、我武者羅に目の前の患者を救っていく癒しの物語、一冊で二度おいしい物語に仕上がっている。患者は何度も帰ってきて、一向に減らず、疲労だけが積みあがる。それでも助けを求めてくる人達がいる限り、治療はやめられない。青年はこの先どうなるか。 次巻も楽しみである。2017/02/21
nawade
7
★★★☆☆ Web版未読。第1回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞作。ブラックな診療所で大量の命を救える天才医療魔術師故に酷使される主人公の悲哀を描いた医療ファンタジーラブコメ。割とシリアスな第一章に対してラブコメ?な第二章以降のあまりの落差にびっくりした。過労で悲鳴を上げる主人公に対し、患者最優先で暴力で強制労働させるヒロイン、ラブコメ定番イベントで話の展開自体も悪くないけど、暴力系ヒロインが苦手な自分には馴染みにくかった。伏線張ったけど効果的に活かせていない箇所も何箇所かあり気になった。2017/02/18
リク@ぼっち党員
6
救えるだけの力があって、救うべき人が目の前にいる人間ってのは大変なんだな…。 序盤は医療、中盤からはラブコメより。ここまでの暴力ヒロインも珍しい。照れ隠しですらない圧倒的暴力。 個人的には死ぬ死ぬ言いながら必死で治療する姿が面白かった。ラブコメの方はとっ散らかってた気が。二人ともひどくめんどくさい。でも最後はいい話だった。 ギャグセンスはかなりのものでけっこう笑わせてもらった。2017/02/19
Makos
3
やや暴走気味な物語や主人公ではあったが、要所要所でかわいいメインヒロインのオータムに癒やされた。末永く爆発して。2017/03/23