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内容説明
「弱きを助け、強きを挫く」侠者たちの壮挙。替天行道、一諾千金……。信義を重んじ、自らの命を賭して果断に行動する侠者たち。血湧き肉躍る痛快事を次々と実現するアウトロー達の強さと優しさを読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さとうしん
8
第一章・第二章の『史記』の世界の侠客たちの話は毎度お馴染みという感じで何の変哲もないが、お馴染みでない話が展開され始める六朝あたりから著者の本領が発揮され、ぐんぐんと面白くなる。『桃花扇』に侠を見出すという議論も少なくとも日本ではほとんどなかったのではないだろうか。「新派武侠小説」など現代の侠客物語にも触れて欲しかったというのはさすがに無理筋か…2017/03/23
ヨクト
6
実在した人物、三国志から物語の人物、水滸伝まで中国の任侠の世界を解説。ぼくの大好きな水滸伝はまさに任侠の物語で、それが男臭く、それが心地よい。誰に馬鹿と言われようと自分の恩義を忘れず、人に酔狂し、生命を賭す。そんな好漢がドロドロネチネチした面従腹背な人物よりも好きだ。2018/10/12
鐵太郎
5
日本の侠客と呼べる男たちが登場したのが、17世紀に始まる江戸時代前期の旗本奴と町奴だそうです。信義と誓いを重んじて、強きを挫き弱きを助ける男たち。しかし中国では、はるか昔から侠客と呼ばれる男たちがいました。その中国の侠客を、春秋時代から描いたもの。春秋五覇と呼ばれた為政者たち、刺客として名を残した男たち、前漢の高祖劉邦、三国志の男たち。しかし歴史上の侠がここで終わり、あとは水滸伝などから始まる虚の世界の侠客たち。──内容はいろいろ面白いんですが、話のヘソがよく見えない気がしますな。 2017/05/06
中島直人
4
(図書館)後半、虚の方は、ほとんど知らない話ばかりで興味深く読むことができた。読んでみたい。2022/11/27
オイコラ
3
古代の侠はちょっと、ぶっ飛び過ぎに感じなくもない。「論を待たない」「他ならない」が多用されていて、かえって説得力を弱めているように思う。虚の部より実の部の方が面白いというか、水滸伝とか桃花扇のあたりはストーリーの説明が主体で、読んでない身にはありがたいような、でも侠客について論じる部分が薄くなっているとおもう。2017/05/06