内容説明
江戸城無血開城の日、幕府に続き大奥も消滅した。しかし、御殿から去った篤姫や和宮、数百の奥女中たちはその後も懸命に生き抜いた。失業した3万余の幕臣や家族も同様だ。大政奉還から150年。語られてこなかった「敗者の側の明治維新」に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむら
33
大奥の女たちはあまり出てきません。「徳川家の大リストラ」ってタイトルにした方がよかったかも。明治維新で負けた側のその後ってテーマは面白いけど、ちょっと浅く広くってかんじだったかなー。津田梅子は徳川家と親戚だったそう。山川捨松と津田梅子でNHKさん大河ドラマやってほしいなー。朝ドラでもいいけど。2017/05/18
Kentaro
23
維新後、殖産興業という合言葉が文明開化の経済的裏付けとして叫ばれ、新しい技術、新しい産業の振興が奨励されると同時にその潮流にのってうまい汁を吸えたものとそうでないものが分かれた。 その掛け声に乗った流行のひとつが養兎でした。政府の奨励もあり士族たちが持ち金をはたいて種兎を購入し、屋敷を飼育場として養殖させ、増えるは増えるはで、兎が大繁殖したものの、士族の商売と揶揄されるように、肉や皮を利用することも知らず、貧乏士族を増殖させたに過ぎなかった。こうして市中の鬱積した不満が西郷人気に繋がった。2019/03/23
Cinejazz
15
大政奉還から徳川幕府が消滅に至る「明治」という新しい時代づくりの裏には何があったのか? 幕府が瓦解したあと、德川に連なる人々は、どう生き抜いたのか? 徳川存続に執念を見せた篤姫、日本初の帰国子女・津田梅子の奮戦、渋沢栄一に象徴される静岡藩士の引き抜き、幕臣たちの屋敷が牧場となった東京の町・・・明治の世をつくったのは、「薩長」ではなく、敗者の「悔し涙」と「意地と情熱」が、維新の原動力となった。 2023/02/02
すきま風
9
ちょっとだけ天璋院の話。その他は教科書ではほとんど語られない江戸時代が終わったあとの明治の姿が語られている。江戸が牧場と桑畑だらけになっていたことや徳川幕府の家臣たちのその後の生活など、確かに歴史書でも滅多にお目にかからないことが書かれていて、興味深かった。しかしこの手の本の固さというか、読みにくさはどうにもならないものなのかなあ。。このへんの単元が好きな人は楽しめるかもしれません。2017/08/06
真理そら
6
大奥を出た後の膨大な数の女たちののその後の話かと思って読んでみたが、そうではなかった。2017/12/10