内容説明
書き手の「何か」が過剰に溢れた言葉。意図的に「何か」を隠すため、論理を捨てて抒情に流れた文章。そこに「ポエム」は現われる。感情過多で演出過剰な、鳥肌モノの自分語りは、もはや私生活ストリップだ。Jポップの歌詞や広告のコピーならまだ許せる。だが、いまやこの国では、ニュースや政治の言葉までもが「ポエム化」している! 名物コラムニストが不透明な時代を考察する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
81
2016年973冊め。私が「ポエム化」という言葉を初めて耳にしたのは2014年頃だったと思う。厳密な意味での詩やポエムとは違い、聞き心地の良い言葉の羅列で本質をぼやかすという意味で使われていると認識している。ブラック企業も好んで使う手法で「夢、仲間、絆」等々並べ立てるわけである。この本はタイトルで万歳と謳っていながら、そんな世の中をざくざく切り捨て御免していくのが痛快だった。2016/11/07
マエダ
73
一冊の中ですら賛否が分かれる。ポエムを詩になり損ねた何かあるいは、詩の残骸と呼び両者を分けている。2017/06/06
白パラガス
20
Twitterやインスタを眺めていると時々,流れてくるツイートに対して気持ち悪さを感じる。それらのツイートの大体は内容が抽象的で,自分語りで,自己完結している。つぶやいている本人は,さながらポエマーのようだ。ポエムと詩は似て非なるものである。『ポエムは,書き手が(中略)何かを書こうとして,その「何か」になりきれなかったところのものだ』誰に放たれたわけでもなく,自己満足に浸るための言葉。後は察してくれと言わんばかりの,高度に抽象化された表現。私が感じていたのは,個人のツイートに見られる「ポエム化」であった。2018/08/21
rico
10
まわりくどいけど博識で一家言あるおじさんの話を、居酒屋でビール飲みながら聞いているような感じで楽しい。特に表題にもなっている「ポエム」への論評は秀逸。はい、私も中学生のころ書いてました。ご丁寧にイラストまでつけて。まあ私的なところでは罪がないが、ビジネスや政治の世界でのポエムは、その裏にあるものをしっかり見ておく必要があるってことか。本書は少し前のものだが、昨今の情勢に対するオダジマさんのコラムも読んでみたい。2017/09/28
織田秋葉
8
NBONLINEのアピースオブ警句シリーズでずっと気になっていた小田嶋さんのコラム。 相変わらずするどい切れ味と独特の文章でぐいぐい引きずり込まれます。ありていに言うと大好きです。何の気なく目にしている文章も小田嶋氏の手にかかるとさあ大変、途端爆笑、気恥ずかしさ満載のポエムになっちゃうわけですよ。慣れって怖いなあ、なんて。 コラムの神髄って、こういう、世の中をちょっと斜めに見ながら、こういう見方もあるよね、っていうのを提起してくれるところにあるんだと思う。氏の作品もっと文庫になれば手に入りやすいのに。2016/09/13
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