天皇陛下「生前退位」への想い

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天皇陛下「生前退位」への想い

  • 著者名:保阪正康
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 毎日新聞出版(2017/02発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620324197

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内容説明

サンデー毎日に短期集中連載中の「天皇陛下『生前退位』を解読する」に加筆して単行本化する。
7月13日、天皇が天皇の位を生前に皇太子に譲る「生前退位」の意向を示していると報じられ、このニュースは日本全国に衝撃を与えた。戦後社会と日本国憲法に合致する新しい天皇像を築いてきた現天皇は、なぜ今、退位の思いに至ったのか。長年、近代天皇制を研究し、現天皇と深い交流もある著者は、「生前退位」は、天皇が改憲への潮流を憂慮してなした決意である可能性を指摘する。現天皇は、安保法制から改憲に向かって戦争への警戒心をなくしてゆく社会状況に抗するかのように、太平洋戦争の犠牲者を追悼し慰霊する旅を続けてきた。また、近代日本においてはじめて、天皇制を民主主義の下に置くことを徹底してきた。自民党の改憲案では天皇を再び国家元首にしようとしているが、天皇はこの政体転換に強い批判を持っているだろうと著者は言う。
一方で、天皇は、平和を求める精神を皇太子に継承できたという安堵の思いも持っているのではないかと著者は見る。また、大正天皇と昭和天皇の最晩年、天皇がその役割を果たせなくなって摂政が置かれ、天皇の存在が稀薄化した時代から、現天皇は歴史の教訓を学んでいるのだろうと推察する。このあたりの歴史的検証は著者の面目躍如たるものがある。
天皇と著者の数年間にわたる交友が、会見記の形で書かれることも本書の特別な価値になると思う。
巻末に、「サンデー毎日」に一部掲載された青木理氏との対談「日本国憲法の『天皇条項』を見直せ」の完全版を収録する。読者は、天皇と憲法と民主主義をめぐる新たな思考に触れることになるだろう。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

100
国民がもっと象徴天皇の声に耳を傾けるべき。陛下の生前退位のビデオメッセージは、平成の玉音放送なのだ、と展開される保坂氏の本。週刊誌等の連載を纏めた本だが、考え方の纏めとして良かった。陛下は数年前から、否、昭和天皇崩御が察せられた頃より終身在位の残酷さに1人で立ち向かっておられる。それら状況下、生前退位も含め、現代の我々国民は、天皇に何を仮託し、得て行くのかを考えるべきと展開される。考えの整理になる本でした。2017/01/14

ナディ

29
今上天皇の真摯な思いについて、大正天皇、昭和天皇の実録から読み解いている。摂政をおくことによりあった出来事などを読むと、陛下のお気持ちは、いかほどのものか。と思ってしまう。2016/12/12

kitten

10
古書にて。生前退位について、お言葉があってすぐに書かれた本。あのビデオメッセージは、平成の玉音放送であると同時に人間宣言でもあった、と。色々な記事をまとめたものだから、あちこちに重複が見られて読みにくい。摂政をたてた大正天皇、最後まで天皇だった昭和天皇の苦労を、今後の天皇にもさせるのか?天皇だって、人間なんだよ、元気なうちに辞めさせてくれ。あのメッセージは驚くほど高い支持をうけて、令和の事大につながっていくことになった。2022/05/15

内藤銀ねず

10
再読。平成三十一年四月の新元号発表と、五月の令和改元。今年のことなのにもはや歴史となってしまいましたかね。あの奉祝ムードは平成改元の時にはなかったことだし、貴重な歴史に立ち会えたことは一生の記憶になった。その歴史が綴られるきっかけとなったのは上皇陛下のお言葉に尽きる。宮内庁HPでもお言葉本文は読めますが、当然ながら横書き。これが縦書きで掲載されているのを見て、webでは読み取れなかった陛下の真意がすっと入ってきます。この本の真価はそれだと言ってもいいくらい。再度書きますが今年の譲位は歴史なんです、皆さん。2019/08/29

ゆうゆう

7
平成の玉音放送。お心の真意。考えれば考えるほど、切ないなぁ。終生在位の「在位」を「仕事」に置換すると、終生仕事!仕事だけの人生!ワーカーホリック度が1000%!途端にブラック企業になるではないか。定年あってもいいじゃない。定年後に旅行したっていいじゃない。人間だもの。いろいろ難しい事があっても一度区切りがあって、その上でもう少し出来る出来ないがあってもいいのかな~と思いました。2017/01/29

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