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内容説明
非凡な才能を持つ音楽家同士の交流は深く激しい。帝王カラヤンに見初められ女王の道を駆け上がった天才少女ムター(Vn)、グリモー(Pf)とアルゲリッチ(Pf)という美貌と野性味溢れる新旧異才の共鳴、反体制を貫きソ連国内でほぼ演奏できなかったロストロポーヴィチ(Vc)を復活させた小澤征爾…。彼らは何をきっかけに師弟やライバル、恋人となったか。時に対立し、それは音楽にどう影響したか。自らの才能だけを頼りに栄光を掴みながらも戦争や冷戦に翻弄される天才たちの50の邂逅の物語が、現代クラシック界の1枚の相関図として浮かび上がる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョンノレン
44
表題から類推される単なる特定個人の紹介に留まらず、戦争やイデオロギー、民族間の軋轢からポストや愛憎まで、垂涎の著名アーティストやオケの複層的でな繋がりや因縁に唸る事しきり。個別に旧聞に属する事もさらなる繋がりを絡めたことで新鮮な驚きも。ギレリスもリヒテルもオデーサ出身で其々スターリンやフルシチョフにも直言の骨太。カラヤンとウイーンの得も言えぬ因縁。ハイティンク、メンゲルベルク、マーラーに纏わる話。若き日のブレンデルとグールドの丁々発止。モントゥ、プレヴィン、バーンスタインが絡む話も印象的。2023/08/02
neco
19
20世紀後半から現在までの名演奏家たちのエピソード集。全部で50話が収められているが、どれも数頁なのでとても読みやすい。しかも、よくあるような音楽家の生涯の概略を描いた人物辞典ではなく、それぞれの人生のある期間を他の音楽家たちとの交流(師弟、友情、ライバル、恋愛など)に焦点をあてて書かれている。帝王カラヤンのシルエットが、ほとんどの演奏家に隠れているのがよく分かった。カラヤン時代の「これだけを聴いておけば良いもの」を、この本を参考に堪能したい。2019/04/17
Isamash
17
元クラシックジャーナル編集長の中川右介2017年発行著作。日本人は小澤征爾のみ。取り上げられたのは、指揮者が多く、私の関心が高いピアニストは、ソ連スヴャトスラフ・リヒテル、ウクライナのエミール・ギレリス、ブルガリアのアレクシス・ワイセンベルク、韓国のチョン・ミュンフン、ソ連ラザール・ベルマン、仏ミシェル・ベロフ、ルーマニア・ディヌ・リパッティ、独サンソン・フランソワ、アルゼンチンのマルタ・アルゲリッチのみ。歴史的な古いピアニストばかりで今一つであるが、アルゲリッチの音楽家相手の恋愛歴は知らず、興味深かった2024/04/09
禿童子
12
元々CD付きマガジンの解説をベースにした現代のクラシック音楽の指揮者と演奏家のプロフィールと知られざるエピソードの紹介。興味深いのは、第二次世界大戦が音楽界に大きな影響を及ぼしたこと。その中でカラヤンが良くも悪くも「帝王」として若手の演奏家の発掘に寄与してきたことが印象的。音楽の世界にも策謀や政治がある。恋愛や師弟関係・ライバルなどの相関図は面白かった。2017/05/12
kenitirokikuti
8
図書館にて。元はCDつきマガジンの連載だっとそうな。カラヤンのお話。1961年カラヤンとウィーン国立歌劇場は、アダンのジゼルとホルストの惑星のバレエ公演&録音する。63年にはモンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」を蘇演▲バスチーユ新歌劇場について。ミッテランは1989年の革命200年に向け、地下鉄駅の移転による空き地にバスチーユ・オペラを予定する。シラク時代に同劇場の音楽監督はバレンボイムに決まったが、ミッテラン再選により、お流れ。チョン・ミュンフンが就く。1989年にカラヤン没、バがベルリンに継投…2020/11/17
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