内容説明
ひとりで屋根裏部屋にいるほうが、孤独を感じなくてすむのに……。
家族を失ったヘスターは伯父の家の屋根裏に住み、下働きをしている。ある日、屋敷近くの道を歩いていたとき、勢いよく駆けてきた馬車に轢かれかけ、どぶに落ちてしまった。馬車から降りてくる男性を見て、彼女はあっと驚いた。黒髪に真っ黒な瞳、服まで黒ずくめの彼は、レンズボロウ侯爵――伯母から、従妹の見合い相手と聞かされている人物だった。彼は泥だらけのヘスターに蔑みの一瞥をくれると、謝るどころか罵りの言葉を放ち、連れの馬番に言いつけた。「時間を無駄にしている場合ではない、持ち場に戻れ!」そして再び馬車に戻り、伯父の屋敷へと走り去っていった。■レディでありながら忙しく立ち働くヘスターと、そんな彼女の質素な身なりから家政婦だと思う傲岸不遜な侯爵。二人は事あるごとに火花を散らしますが、やがてその摩擦は恋の炎となって……。リージェンシー・ロマンスの旗手A・バロウズの傑作が誕生しました!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Michelle
9
もうそろそろクライマックス?と思ったところがまだ半分にもきてなかった。心の傷を抱えているヒロインと、無神経なところがあるヒーロー。作者の意図が掴めず、何が主題なのかが分かりにくかった。2021/05/01
tona
8
屋根裏のシンデレラというタイトルだったので、どれだけ虐げられているんだ?と思いきや、心に傷を追って屋根裏部屋に逃げ込んで暮らしていたヒロインでした。実際伯父家族はみんないい人たちで、結構うるっと来ました。ヒーローはベタ惚れなのに、ヒロインが何事も悪い方へ悪い方へ考えてしまうので、なかなか2人はうまく行かないのですが、その辺は丁度いい焦れったさで読みやすかったです。脇役が結構魅力的でしたが、シリーズがあるのでしょうか。2017/01/29