内容説明
昭和期の商店や商品のロゴ,手描きの看板などを独自の視点で紹介し、手描き文字デザイン再評価のターニングポイントとなった名著「タイポさんぽ」が舞台を台湾に移し、あっとおどろく漢字看板の世界を追いかける。
日本の看板は比較的自由に変形ができるひらがなやカタカナを中心にデザインされてきた。
しかし、漢字しかない中国圏では日本人には思いもよらない、独創性あふれる漢字看板が発展している。
本書は古くからの伝統と近代文化が入り交じる台湾の街角で見つけた楽しくも珍しい漢字看板を渉猟する。
アルファベットや横文字をカッコイイものとしてきた戦後デザイン文化を乗り越え、「漢字」とそのデザインの可能性に改めて目を向ける挑戦的企画。
読んで楽しく、見てためになる漢字の世界を旅しよう。
目次
到着一撃目
「排」はおいしい字なのです
ノリでイケそなパラレルワールド
外から見る異国情緒
当て字翻訳ロゴ名人芸
日臺洗剤浪漫
丸ゴシック・サイバーパンク
ステンシルの聖地
台湾マンションタイポトレンド
〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
40
台湾好きなので読んでみたのですが、広告看板には興味津々になったものの、タイポそのものには興味が持てず終いで読了。ただ夜市の写真には引き込まれて直ぐにでも行きたくなりました。2017/09/18
hisaos
2
「タイポさんぽ」を知っている人なら冒頭にある通り本当に「タイポさんぽ台湾をゆく」で分かってしまう。収録されているタイポたちは中華文化圏らしい赤々、太太とした力強いものが多い。台北にはいったことがあるが、この本に収録されている台南のタイポを訪ねてそちらを訪れてみたくなった。2016/06/13
ひるお
0
看板・広告・パッケージなど、街を彩るタイポグラフィを観察・採集する“タイポさんぽ”台湾編。日本と同じ漢字文化圏でありながら、ひらがな・カタカナのある日本より漢字濃度が高い台湾。繁体字や略字、発音記号、さらにはひらがなまで取り入れたタイポグラフィには、作者の個性だけでなく歴史の重みがある。デザインひとつにも、そこに至るまでの蓄積がある。かつては異体字に寛容で、奔放なデザインに溢れていたのに、漢字の公的な基準が定められ教育課程に反映されると、異体字が見られなくなっていった、という日台の歴史も興味深い。2025/04/13
cloud9
0
先月台湾に行く前に読まなくてよかった。とても面白くて、これ読んでたら街歩きが全然進まなくなったかも。ただでさえ、看板系の写真が多くなってきてるのに。2020/01/12