ちくま新書<br> ルポ 児童相談所 ──一時保護所から考える子ども支援

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ちくま新書
ルポ 児童相談所 ──一時保護所から考える子ども支援

  • 著者名:慎泰俊【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2017/01発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069399

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内容説明

児童相談所併設の一時保護所は、虐待を受けた子どもや家庭内で問題を起こした子どもらが一時的に保護される施設だが、「あそこは地獄だった」と証言する子供たちが多い。社会起業家である著者自ら一〇カ所の一時保護所を訪問、二つに住み込み、子供たち、親、職員ら一〇〇人以上のインタビューを実施。一時保護所の現状と課題点を浮かび上がらせ、どのように改善したらよいのか、一方的でない解決の方向性を探る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

51
児童相談所に併設される一時保護所の現状と問題点、利用者職員双方の声、改善策等、手っ取り早く知識を得られる。つくづく医療介護福祉は“地域”がキーワードであると感じるが人材・財源等、果たして地域に如何程の体力があるのか、地域格差をどう解消するのかと不安にもなる。2019/02/07

mana

42
児童相談所や、その中にある一時保護所の格差。少年院のような厳しい場所と、家庭のような温かい場所と…。滞在期間や満足感、適応にもかなり差があり、それは行政や職員に大きく左右される。子供にはなんの落ち度もないからこそ、こういった格差は是正されるべき。地域で見守る子育てが薄れてきたことも問題。一時保護委託がもっと広がれば、友達と引きはがされることもなく、子供に傷を負わせることもなく、人と人との関わりが深くなるだろう。パンク寸前で疲弊した現場ばかりを叩くのは簡単。かなり学ぶことが多かった良書。2023/01/11

ぼのり

41
一時保護所には施設格差があり、子供達はある日突然、連れてこられた途端、番号が振られた下着を与えられ、自由や権利も全て奪われ、刑務所の如く管理・監視されることも少なくないという現状に衝撃を受けた。と同時に、児相の現状…職員1人当たりの担当は100件以上。虐待だけでなく非行や発達障害、貧困、親の相談対応や家庭支援など問題は様々あるのに、全て児相に一極集中。作者自ら一時保護所へ泊込み体験。子供、親、職員など多方面からの聞き込みと多数のデータを用い、客観的な視点から検証、問題提起をしてる良作!(2019-066)2019/03/06

ゆう。

29
一時保護所の実態と課題を捉えたルポです。一時保護所は、虐待や非行など様々な理由により児童相談所により保護された子どもが、その後の行き先が決まるまで入所する一時的な施設です。そのまま社会的養護に置かれる場合もあれば家庭に戻される場合もあります。子どもにとっては本来、安心と安全、人権が保障される場でなければなりませんが、管理的である所もあります。本著はそうした問題点を見ることができると思います。また、著者なりの解決策が提示されており、今後の保護のあり方を議論するうえで一つの材料になると思いました。2017/01/10

ちぇけら

23
正解のない問に日々直面しなければならない仕事なんだなあと。親からも社会からも批判を浴び、それでも子どもを第一に考えられる職員の人はすごい。でも一方で、子どもが逃げ出したくなるような保護施設があるのも現実だ、あくまで本書を読んだ限りだけど。何がベストかなんてわからないけど、ある程度恣意を減らしつつ、子どもと向き合っていくのがいいのかね、あと地域の連携。2017/10/02

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