内容説明
韓国、中国はいまだ「前近代社会」を生きている。朴政権の驚くべき腐敗は歴史の必然だった。なぜ日本だけが近代化し、中韓はいつまでも前近代にとどまるのか。その謎を壮大な文明史から解き明かす渾身の書き下ろし。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Akira
38
タイトルからのイメージとは異なり、アジアで唯一近代化・産業化に成功した日本を歴史と文化、そして制度を中心に謎解いて行く良書。とても勉強になった。明治維新を成し遂げ近代化に成功したのは偶然でもなければ一夜にして出来上がったのでもない。仏教が到来した飛鳥時代まで遡り、積み上げた歴史と文化によるある意味必然だった。中華思想の虜からの脱却…当時としては想像を絶することだったろうなあ。p141の『ユーラシア大陸の両端に位置する日本文明と西欧文明は構造的に酷似している。日本はもう一つの「西欧」』に妙に納得。 2017/04/13
謙信公
14
中国、朝鮮半島の国々は、元々長い歴史を有する「文明国家」だった。西欧以外の国が近代化に成功するには「西欧の近代文明を虚心坦懐に受け入れる」という謙虚さが必要だが、中華思想の信奉者である彼らは、西欧文明から学ぼうなどとは夢にも思わない。「中華」を殺したことで近代化に成功したのが日本、「中華」に「自家中毒」して近代化の失敗国家となったのが中国と朝鮮であった。しかし、中国が急速に台頭して覇権主義をとり始め、朝鮮半島は相も変わらず「前近代的」な挑発。日本は今、戦後70年以上も続いた平和と繁栄が最も脅かされている。2021/02/09
またおやぢ
13
社会は過去累々と積み上げられた人々の思考や行動によって成り立ち、一度できあがった文化はそう簡単には変えられないことを示唆した良書。先進的な文明を持っていたはずの中国や、その文明を的確に模倣してきたはずの韓国が、実は近代化に失敗していると看破し、その理由を一元化権力構造にあるとしている著者の主張は慧眼。国や地域を豊かにし、かつ持続的に安定させるには、多元化あるいは多様化することを許容し、そしてその多元性・多様性を包括した社会体制を築くことが必須であることを再認識。分らず屋対策のヒントが散りばめられた一冊。2017/04/15
ムカルナス
11
日本は中国文明を学び取り込んできたので判った気になっているが実は全然判っていないのかもと思った。●中韓の科挙制度による登用は誰にでもチャンスがある反面、唯一の出世手段の為、官僚以外の知識層が育たず、官僚はポストを得るための賄賂が必須、その投資を回収すべく富豪や資産家から収奪を繰り返すので腐敗が止まらず民間資本は蓄積されない。●小中華思想の朝鮮は西洋文明を取り入れるのは人間以下の禽獣になるのに等しい、それでは偉大な中華文明を守れないと徹底排斥した等々。ただ大半が日本史の話で中韓に関する著述が少ないのが残念。2017/04/15
あずさ
4
なかなかに難しい本だった。一元化権力構造であり、儒教の教えが絶対の中韓。二元化権力構造であり、ブルジョワジーが生まれた日本。日本は仏教が中心で、儒教を一学問として扱った。科挙は四書五経を暗記するしかないため、自然物理の入り込む余地がない。頭のいい人は全員役人を目指すため、研究員などが育たない。西欧文化を受け入れるより、儒教の地位が失墜することを恐れた結果、中国は近代化が100年ほど遅れた。国民性の違いが歴史ひとつとっても強く表れるものなんですね。2017/09/21
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