在日マネー戦争

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在日マネー戦争

  • 著者名:朴一【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 講談社(2017/01発売)
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  • ISBN:9784062817073

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内容説明

大正期、朝鮮半島から玄界灘を越え、三人の男が日本に渡ってきた。戦後、多くの在日コリアンが棲みついた大阪・猪飼野を舞台に繰りひろげられた、在日金融機関の設立・再編をめぐるマネー戦争。「在日のドン」と呼ばれる男たちの栄光と挫折のマネーゲームに迫った渾身ノンフィクション! 解説・野村進

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

5
 戦後、在日コリアンは日本の銀行からの差別的な対応で融資を受けることが困難であった。その為、自らの金融機関が必要であり、その需要に応じようとする人々が次々と信金を設けた。  この本は、在日コリアンによる金融機関の設立・拡大・破綻・再編をめぐる人々の動きを記録したものだ。  著者は新聞紙上で、ある金融機関の経営の不透明さを批判する記事を書いた。すると突然、当該機関の経営者が自宅にやってきたというところから始まるエピソードを紹介している。そこからのスリリングな展開が非常にドラマチックであると感じた。2019/08/20

kawasaki

3
3人の在日韓国人企業家たちの「銀行」への夢を、えぐい部分ににも踏み込んで描いたビジネス闘争実録。特に関西興銀を築いた李煕健が中心。焼け野原から立ち上がり成長拡大、そしてバブルへという点では高度経済成長のモーレツ物語と共通するが、マジョリティの海の中で窒息させられまいとし、結束して安住の地を築かんとする強い意志が、ギラギラとした光を放つ。『ピストルと荊冠』と同時に読んで非常にヘビー。初めて韓国一人旅したとき両替でお世話になった新韓銀行、窓口が日本と変わらなくて安心したのには理由があったんだな。2017/03/06

うたまる

2
日本での民族金融機関の設立と再編を巡るノンフィクション。三人の在日コリアンの立志伝はストレートに面白い。アクの強さもワーカーホリック振りも日本人創業者と何ら変わらないから。で、問題は著者の差別フレーム。成功も失敗も美談も醜聞も、全部差別、差別、差別。日本における民族差別とは要は外国人差別のことで、正規メンバーとそれ以外で権利に差があるのは当然でしょうに。また韓国からの差別も似たようなもの。一番苦しい朝鮮戦争時に逃げておいて復興特需には参加したいというのは身勝手な話。おいしいとこ取りはどちらからも嫌われる。2019/03/03

Worldさん

1
日本からは差別を受けて、本国からも半日本人と揶揄されつつも日本のニッチ産業で旗を揚げて国内トップの金持ちを量産したうえで在日の権利獲得のために金融機関の設立。最悪の環境から成り上がった在日韓国人たちのハングリー精神、すごすぎ。MKタクシー、銀行の話で出てきた礼儀を徹底することで周りとの差別化を図るところ。年功序列を崩して優秀な者にはふさわしい賃金をしっかり払うって外資系そのもの。外国人なのにもかかわらず国内中枢にも絡んできて文化を築き切っている姿はユダヤ人とも重なるなあ。すげー。2022/11/03

wang

1
戦後、日本でビジネスを成功させた在日コリアン。彼らが向かった先は民族系金融機関の設立だった。日本の金融機関は在日コリアンにお金を貸したがらなかった。やむなく相互扶助のため在日信用金庫の設立に動く。さらに事業を拡大させた在日の人々が祖国の再建のため祖国で事業を始めようとしたとき、今度は同じ韓国人の金融機関が日本から来たというだけで差別的扱いをした。在日韓国人による在日韓国人の為の金融機関が韓国で必要になる。同胞から必死に資金を集め、同胞のために活躍した諸氏の強引だが活力にあふれた成功と失敗のドキュメント。2022/03/21

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