内容説明
北条得宗家の執政体制下、幕府は武士の支持を失い、朝廷は大覚寺統と持明院統の対立と両統迭立(てつりつ)の中にあった鎌倉時代後期に出現した公家一統体制。それは復古反動か、封建王政か? 延喜(えんぎ)・天暦(てんりゃく)の治を理想とする天皇の政権はどのように誕生し、どんな構成と性格を有し、短期間で滅んでいったのか。史料の精緻な読みを通し、後醍醐の夢と挫折を解明する。
目次
まえがき
はじめに──建武政権論をめぐって
第一章 鎌倉後期の公武交渉
第二章 後醍醐天皇前期親政
第三章 建武政権の成立と展開
第四章 建武政権の行政機構
第五章 建武政権の崩壊
注
さらなる理解のために
学術文庫版あとがき
関連年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moonanddai
11
この時代、何となく過激ともいえる天皇親政の面(例えば「中興」といった言葉で言い表されるような)のイメージが強かったのですが、鎌倉幕府の施策や体制の影響や、新たな武家政権を望む動き、経済状況の変化なんかも見据えながら考えていかなければならないのでしょう。にしても、私の頭にあるのは、(あの)「異形の王権」…。その辺のところ(宗教政策と言いましょうか)に興味もあったのですが、深くは触れられていなかったようです。文観だの智曉といった密教僧は何だったんでしょうね…。まあそれなら太平記を読めということですね。2023/11/22
中年サラリーマン
11
あまりに色々な登場人物が出てきて追いきれなかった。ある程度登場人物に対する予備知識がないと読み進めていくのが苦しい。同様の本を何冊かまとめ読まないと咀嚼できないかな。2013/07/15
瓜月(武部伸一)
5
日本中世史において3年という短期間ながら公家一統という独特の政治体制を築いた建武政権。その前史から成立と崩壊までを描く。鎌倉期は幕府と朝廷の二重権力状況、いわば中世と古代が同居した時代。そこから近世への胎動が始まる室町幕府権力が成立するまでに、天皇親政の政権が必要であった事が興味深い。日本社会における「天皇制とは何か」を考えるためにも、南北朝時代の理解は重要だろう。巻末の「さらなる理解のために」は戦前期から現在に至るまでの建武政権史料・研究史・主要論文・著作をコンパクトにまとめてあり、資料集として秀逸。2017/07/11
プリン
4
旅の途中に名古屋駅の三省堂書店で購入。南北朝史をリードしてきた中世史家の森茂暁氏による建武政権論。制度史にかなり偏った著作であり、興味のない人にはまったくお勧めできません(^^ゞ 『闇の歴史 後南朝』もつい先頃文庫化されているので、そちらから読んでみた方がこの時代を面白いと感じるはず。網野善彦氏の『異形の王権』などと読み比べてみるのも良いと思います。2013/08/13
陽香
2
201206112017/06/02
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